ぶっきらぼうな彼氏が酔って甘えん坊さんになる話
ある日の朝、りさは彼氏である大輔からメッセージを受け取る。今夜泊めてほしいという珍しいお願いに快く承諾したりさは、すっかり酔ってしまった大輔を迎え入れることになる。普段はぶっきらぼうな大輔だが、お酒が入っているせいかとても甘えん坊で…。
『今夜、りさの家に泊まっていっていい?』
彼氏の大輔から連絡が来るなんて、相当珍しいことだった。
普段は私からの連絡が当たり前だし、ましてや泊まってもいいかだなんて。
起きたばかりのだるい頭を働かせながら、大輔へ返事をする。
『いいよ。なんかあった?』
『飲み会をそっちの市でやるんだけど、終電までに帰してもらえそうか微妙』
『わかったよ、布団用意しとくね』
簡単なやり取りをして、私はようやく身体を起こした。
私たちは大学卒業間際から付き合い始めて、まもなく1年になる。
えっちもしているけれど、それでもぶっきらぼうな大輔との距離はなんとなく遠く感じていた。
だから、こんなちょっとしたことでも頼ってもらえてとても嬉しい。
元々私から猛アタックして付き合い始めた関係だから、なおのこと。
(大輔がうちに泊まりにくるなんて、いつぶりだろう)
就職は隣同士の市ですることになった。
付き合い始めてすぐに同棲なんてとてもじゃないけどできなくて、今はまだ別々のアパートに住んでいる。
それでも隣の市だから、週末はよく会いに行ったり、会いに来てもらったりはしていた。
もちろん、お互いの家に泊まることもあるけれど、それも滅多にない。
(…なんか、今日の仕事、頑張れそうな気がする)
いつもはつらいと感じる出勤の朝も、大好きな彼氏が来るとなればスキップで出たくなるのだった。
*****
夜。まもなく深夜を回る頃、インターホンが鳴る。
出迎えると、そこには――。
「りさぁー…」
とろりとした目で、私を見る大輔がいた。
「ごめん…ちょっと、酔ってる…」
「えっ、ちょ、あぶなっ!」
まだ靴も脱がないうちに、大輔が私へと寄りかかってくる。
倒れてしまうと思って慌てて抱きとめたけど、大輔はしっかりと立ったまま私を強く抱きしめていた。
「ん…りさのにおい、いいにおい……」
「ちょっ! くすぐったっ…んっ!」
私の首筋に顔をうずめて、深く呼吸を繰り返す大輔。
その間に大輔の大きな手は、私の身体を撫で始めた。背中から腰へ、そしてお尻まで。
今まで見たことがない大輔の様子に、私は驚いてされるがままとなっていた。
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