恥辱 (Page 5)

「…もしかして、期待外れだった?」

「まぁな」

機嫌が悪いのは、自分の望んだプレイじゃないからだ。
元カレも挿入が嫌だったわけではない、女をゆっくりと味わったり屈辱的な犯し方をするというプレイが見られないのが納得できないのだろう。

男が焦って、挿入をしようとする行動が許せなかったのだ。
美学に反する行為など見ても仕方がない。
女が有利な状態のセックスなど、日常的に彼女に支配されている元カレには不必要なのだ。

「私も不完全燃焼なんだけど、どうしようかな」

セックスの相性がいいだけじゃない、私は人に飼われて屈辱的なのに逃げられない男の気持ちを共有してしまっているのだ。
だけど、私にそれをぶつけてきているうちは、彼女には勝てないのだろう。

車は突然停車した。
私の家かと思って顔をあげると、元カレは私の身体の上に伸し掛かってきた。
初めから自分でするのが正しいと認識していた方がよかったと思う。

だけど、こんな変な関係を続けていくのが正しいのかは分からない。
でも、元カレが声を上げて泣いているのは、屈辱的な生活から逃れられないからなのかもしれない。

「そんなにつらいなら、別れちゃえばいいのに…」

仕事の関係で、彼女と一緒にいなければならないのに、嫉妬もなにもしてこない彼女。
その余裕が元カレの謎の性癖を覚醒させてしまったのだろう。
信頼されているという名の無関心が、絶対に存在している。

私と元カレは車の中で、普通のセックスを始める。

見知らぬ男に愛撫されていた身体を、もう一度元カレが愛撫し始める。
ドSとは程遠い優しい男だった頃の元カレが垣間見えて切なくなった。

互いに別の人生を歩んでいるのだから、私がどうこういうことではないのだけれど、ストレスの発散方法がこれしかないのだから仕方ない。
世間体なんて気にしなければいいのにと本気で慰めにもならない言葉は飲みこんでいた。

「別れられたらいいよな…」

深く挿入されていく元カレのソレを私は膣で感じていた。
肉体的な快楽が、私に安堵を与えていた。

Fin.

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