イケボな隣人を推すのはアリですか? (Page 3)

届いたピザを食べて思った以上においしかった昴さん手製のおつまみでお酒もすすみ、アルコールがいい具合に回り始めたころ恋人の話になった。

「もうフラれてばっかり。人当たりがいいってモテるとイコールじゃないし」

「そう?誠実で人当たりいいって最高じゃん。見る目ないね、その人たち」

昴さんはイケボだし、顔もかなりいい。ガタイだっていいし、男性の平均より背も高い方だと思う。それ以上に、わざわざ地元の銘菓もってくる挨拶に来る律義なところに、きれいなお辞儀に誠実さがでていた。

「そんなこと初めて言われた。咲月さんみたいな、咲月さんを好きになればよかった」

推しと同じ声でそんなこと言われて心臓が嫌な音を立てる。そっと昴さんが私の腕をつかみ、かすれた声で名前を呼ばれる。

「昴さんは、私の推しに声が似てる」

「それはそういう対象としては見れないっていう遠回しな拒絶?」

「そうじゃなくて、ドキドキして困る。耳弱いからあんまりささやかないで…」

いうやいなや耳を甘く噛まれ、ぞくぞくっと快感に背筋が震える。形を辿るように舌で撫でる。もう片方の耳は指で形を辿られ撫でられる。

「本当に弱いね。ちょっとだけでとろとろだ。ヤバいね、止まらなくなりそう…」

「止まんなくてもいいっ…」

激しいキスに応えながら、昴さんの首に腕を回した。

*****

押し倒されたベッドで一糸まとわぬ姿でキスをする。久しぶりに感じる男の人の熱に、まだキスだけなのに胸の先端がじんと痺れる。唇が離れ、首筋を辿る。

胸を持ち上げるようにもまれ、甘く鳴いた。存在を主張する先端を食まれ、じゅっと吸い付かれる。
かと思えば急に手も口も離してしまう。

「おねだりするみたいに腫らして。続きして欲しかったらもっとっていって」

親指が唇を撫でる。昴さんにささやかれ思考回路がどろりと崩れる音がした。昴さんの声はアルコールに似ている。私の思考力をどんどん奪っていく。頭が回らない。

それでも体は正直で、乳首がじんじんと痺れて、物足りなくて切なさに疼いている。何か言おうと口から零れたのは、自分でも驚くぐらい切なく甘えた声だった。

「もっとぉっ」

「よくできました。いいね、切なげな顔も声も。それなのに甘くてぐっとくる。

再開された愛撫に背筋をそらして、私の声はさらに甘くなった。

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