年下オオカミがお腹を空かしているそうです (Page 5)

手早く後片付けを終えた彼は今私の体を温かいタオルで拭いてくれている。若いってすごいな、タフで。私はというともう指先一つ動かすのもしんどい。

「されるがままだね」

「おかげさまで動けないの。ずっと好きだったって、3歳の頃からってこと?でも、最初の女ではないよね」

「千沙ちゃんが通ってた大学の沿線は高校への通学で使ってたんだ。時々千沙ちゃんのお母さんが写真をメールとかで送ってくれたから、ずっと知ってはいたけどね。たまたま同じ車両になったことがあって、一目見てすぐわかった。写真より鮮明で可愛かったけど」

千沙ちゃんは全然知らないみたいだったけどね。とくすくす笑う。そりゃ家族で旅行とか行ったら写真とか撮ったけど、送ってたなんて知らなかった。

「こっちはずっと知ってたけど写真嫌いだし?会ったときびっくりしてほしいから、大して写真らしい写真は送ってないんだよねー。そりゃ忘れてるはずだよね」

返答に詰まった。確かに言われるまですっかり忘れていたけれど。

「なんかズルイ。ミキちゃんばっかり知ってて、私何も知らない」

また呼び方が戻ってると膨れて見せる。可愛いとちょっと思ってしまう。

私の体を起こしシーツごと下に敷いてある布団に寝かされた。そのままシーツだけ回収され、ちょっと後には洗濯機の低い音が聞こえていた。なんて濃やかなんでしょう。

「今日はこっちで寝て。もう夜も明けるし、お昼ごろまでうとうとしてても大丈夫」

「うん、疲れた。眠い…」

「もっとこっち寄って」

ぐっと腕をひかれ逞しい腕枕におとなしく頭を預ける。とろとろと瞼が落ちてくる。

「起きたら俺との同棲も視野に今度は一緒に物件見に行こう。お腹が減っても千沙ちゃんが満たしてくれるし」

「その前に話を…」

眠気に負けて後半は言葉にならなかった。とりあえず話し合いからだ。もっと知り合ってからでも同棲は絶対に遅くないはずだ。シーツを天日干しして、今後のことをきちっと話し合って、物件を見に行く前に明日の晩御飯の材料を買いに行かないと。

まあそれは起きてからだ。今は彼の腕の中で眠っていたい。

Fin.

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