セックスを楽しめない私に同期がしてきた提案で、新しい自分を知ることに

・作

私は今まで心からセックスを楽しんだことがない。それをたまたま同期に吐露した日、まさかの私が送り狼になってしまう。でも、私にこんな一面があったなんて知らなかった。どうして今まで見つけられなかったんだろう。一度知ってしまった悦楽の世界からは出られない。

「まだイッちゃだーめ」

「そんなっ、もう…きつい…!」

「だからダメだって。我慢して?」

私ってこんな一面あったんだ?

*****

「「かんぱーい」」

「っぷは〜!今週も乗りきったね!今日は終電免れたー!」

「っ、まゆオッサンくさっ(笑)」

「はぁ!?飾ってなくていいでしょ!護ってば失礼ね!」

今日は同期の護と飲んでいた。

仕事が忙しすぎて、ここのとこ連日終電逃してたけど、今日は残業も少しで終えられた。

残業仲間の護と、これは飲まなきゃでしょ!となって今に至る。

「しっかし、まゆせっかくの早上がりに彼氏ほっといていいのか?」

「あのねー、彼氏いたらまっすぐ帰ってるわ。もう3年はいないし。ってかいないなんて虚しいから言わせるな!」

「あーあーもったいないねー。せっかくいい女なのに」

「棒読みやめい」

護は誰にでも屈託なく接して、会社の人たちからはお兄ちゃんみたいと言われている。

同じ部署で、入社時からすぐ意気投合した私たちはこうして時々お疲れ様会をする。

「突っ込んで聞いた事なかったけどさ。なんでまゆはあんまり長続きしないの?今までも、1年持たなかったのが多くない?」

「んー…なんか、楽しくないのよね」

「一緒にいて楽しくないって…好きじゃなかったのか?」

「…セックスよ。エッチが楽しくなかったの」

予想外の回答だったらしく護は押し黙ってしまった。

居酒屋で、周りの喧騒もあり口にするのはそこまで躊躇わなかった。

「楽しんでないのが伝わったんじゃないかな。相手も次第につまらなそうに、シなくなっていったのよ」

「みんなが皆そうだったのか?」

「だって…気持ちよくないのか?ってみんな毎度聞くのよ?」

「抱きしめたり手を繋ぐのも、幸せを感じてはいたんだけどね。セックスだけは私苦手みたいで」

「気持ちよくないって、どんなプレイしてたらそうなるんだ?」

「そうね…普通のプレイに、コスプレしてみたり縛られたり、ある程度はしたわよ?でも…あんまり濡れなくてね〜。好きにさせてたんだけど相手はそれが嫌だったみたい」

「…」

これ以上何も言えないと思ったらしい護は、別の会話に切り替えてくれた。

…のはいいんだけど、その後飲みすぎてまさかの2軒目もなしにベロンベロンに。

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