執事に夜の手ほどきしてもらってます (Page 4)

「愛してる、雅」

「私も」

その言葉が合図のようにグッと大河が私のナカに入ってくる。痛み、何より圧迫感。想像以上の質量に息を止めかけた。

「いっ…、いたっ…、ああっ」

「よく頑張ったな、雅」

涙をぬぐわれる。私の身体が馴染むのを待ちながら、緩く動かれても痛みを感じなくなり、声に甘さが混ざる。

「もう、動きたい」

「来て、大河」

激しい律動に揺さぶられ、私はまた鳴く。額から滴る汗が私の胸元で弾ける。

「あ、ああんっ」

一点を突かれ、私は高い声をあげた。

「ここかっ」

ガツガツといいところを擦られ、あられもない声が上がる。
肌のぶつかる音、強い快感、こぼれる声。大河の手が私の手をぎゅっと握り、体温が混ざり合い、快感が全部を白く滲ませる。
一際奥を突かれ、ぎゅっとナカが締まる。鋭い快感が背筋を駆けあがっていく。

「あ、あっ、イクッ!あ、ああっ、ああああああんっ!」

「くぅっ、あっ、雅っ」

ドクンッと中で大河が脈打つのを感じて、ぎゅっとつなぐ手に力を込めた。

*****

「このまま連れ去れたらいいのにな」

私の身体を清めながら大河がポツリと呟いた。

「大河のいる所が私のいる所だよ。大河が私の傍にいてくれるなら、全部裏切っても構わない」

「そろそろ大学の長期休暇だから、小旅行いこう。別荘地で避暑って言ったら俺が付いていくのも不自然じゃないし。二人で少し逃避行とか」

「小旅行したいなあ。知ってる人が誰もいないところで、二人っきりで過ごしたい」

そろそろ夜明けが近い。大河が身支度を整えていく。それでもうおしまい。いつか朝、彼の腕の中で目を覚ましたい。

「おやすみなさい、雅様」

「おやすみ」

大河が出て行った後、彼の体温が残るシーツを手繰って泣いた。嬉しいのか、悲しいのかも分からなかった。声を上げて泣いて、泣き疲れて眠った。
大河が涙をぬぐってくれた気がする。起きた時にはいなかったけれど、拭ってくれた時に手の平に落ちた雫の感触だけは鮮明に残っていた。

Fin.

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