真夏の夜に溺れたい (Page 2)

行きたいところを言うとそれに最適なルートを組んでくれて、オシャレなカフェやランチで美味しい沖縄料理を出すところも連れてってくれた。

「…都築さんって地元民ですよね。なまりがないけど」

話していて気になったところを聞いてみた。

「一応、生まれは?母がこっちの人でね、里帰り出産ってやつ。育ちは東京だけど、沖縄が好きでね。ちなみに31歳。天音ちゃんは女子大生?」

「大学の三年です。就活で忙しくなる前に旅行行きたくて。本州から出たの初めてです」

歳が10歳以上離れてるとは思えない位、話しやすい。物腰の柔らかさだろうか。都築さんが煙草を取り出しながらふと私を見た。

「煙草吸っていいですよ」

「いや、俺は喫煙習慣ない人の前では吸わないの。天音ちゃんは煙草とか吸わないでしょ。煙草の匂いしないし。心細い時とか喫煙習慣ある人はわりとガンガン吸う人多いし」

そう言ってあっさり煙草をしまった。気が付かないうちにじっと見つめていたらしい。私の視線に気が付いた都築さんが困った顔をする。

「そんな目でじっと見て。食べられちゃうよ?」

「あ、えっと、嫌じゃない」

「その目、参るな…」

都築さんは額に手を当てて黙ってしまった。本当に嫌じゃないのに。何か言おうとして、けど何を言えばいいか分からなくて私も黙ってしまう。頬に都築さんの大きな手が添えられた。近づく唇を受け入れて、目を閉じる。もう、言葉はいらなかった。

*****

予約していたホテルのツインルーム。シャワーを浴びながら深呼吸をする。ふわっふわのバスローブを着て、丁寧に髪をかわかす。バスルームから出ると都築さんが煙草を吸っていた。

「ごめんね、なんかしてないと落ち着かなくて」

ぎゅっと灰皿に煙草を押し付ける。余裕のある人だと思っていたから、落ち着かないとか意外だな。都築さんが私をじっと見ていたから、私も都築さんの目をじっと見た。キスはさっきのとは違って煙草の味がした。深くキスをしながら、もつれるようにベッドに倒れこむ。上顎をくすぐるように舐められ、舌を絡められ、思考がとろりと溶けた。

「都築さん…」

「そのもの欲しそうな目、たまらないね」

もの欲しそう…、そんな目をしていたのか。バスローブの隙間からそっと胸に手が触れる。

「あっ」

指先が形をなぞっているだけで声が出た。いつもより鼓動が強く速く鳴っている。都築さんの大きな手が胸をもみ始める。核心には触れず、いつしかもどかしさが痺れに変わり存在を主張し始める。

「都築さん…」

「どうして欲しい?」

意地悪そうに都築さんはそう聞いた。

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