思い出の場所でかつて好きだった人と (Page 4)

「はあっはあっ、笹原ぁっ」

「夏奈も名前呼んでよ。俺の名前言えるでしょ」

「んっ、優斗…」

中で一回り大きくなった気がして、グッと手の甲を口に押し付ける。そっとその手に手を絡めて、またキスをする。舌を強く絡める度、奥を突かれ、嬌声の欠片が優斗の唇に飲まれていく。一度は去っていった大きな波がまた私をさらいに来る。

「はあっ、はあっ、優斗っ…」

「夏奈」

名前を呼んでも呼ばれても快感が走る。
何度も絡めた舌が痺れて、ろれつが怪しくなる。その痺れさえも気持ちがイイ。

「はっ、イク」

「きてっ」

先ほどとは比べものにならない大きな快感に意識も、体の感覚も飛んだ。

*****

ベタベタになった体を手持ちのウェットティッシュで拭いていく。消毒用じゃなくて良かった。あれは粘膜に使用しちゃ絶対にだめだし。換気もかねてバレない程度に細く窓を開ける。
冷たい風が火照った頬を冷ましてくれる。

「なんかいつの間にか薄暗くなってるね」

「そーだな」

乱れた髪を整える。流石に母校とはいえ、物置がわりの空き教室とはいえ、まずかったかもしれない。あの時は快感材料だったものが、今になって恐怖に変わった。

「次は声もっときけて、キスマも一杯つけられたらいいな」

次があるのか。きっと何の気なしの一言だ。それでもこれからを考えてくれてることに安心する。これで終わりじゃないんだと。

「あの、相談があるんだけど」

「何?」

「二人っきりの時だけでいいから、これから名前で呼んじゃダメ?」

「いいよ、夏奈」

あの時作れなかった続きを、またここから始めよう。

Fin.

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公開日:

感想・レビュー

1件のレビュー

思い出の場所でかつて好きだった人とのレビュー一覧

  • 全部良かった

    やっぱり、全部良かったです。

    鈴木 さん 2022年7月20日

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