お義兄様に夜のお作法を教えて貰っちゃいました

・作

小さい頃からお義兄様に憧れていたサーシャ。適齢期を迎えて、結婚する前の想い出に『夜のお作法』を教えてもらえるようにお義兄様におねだりしたら…。憧れのお義兄様にたっぷり愛された、サーシャの初めての夜をどうぞ。

初めて会ったのは、庭のミモザが綺麗に咲く頃。
美しい銀髪に碧い瞳。
お父様の再婚で初めて会ったユリウス様は、私にとって理想の「王子様」だった。

幼いころの憧れは、いつしか恋に変わって。
私はただ、彼の背中を追いかけ、秘かな想いをひとり温めていた。

穏やかな物腰に優しい微笑み、少しだけ低い声。
「私だけを見て欲しい」と何度想ったことだろう。

言い出せず、踏み出せず、時だけが流れて。
ユリウス様は今日も、優しく微笑んでくれる。
私の「お義兄様」として。

「サーシャ?良いかな?」
ノックの音に気が付いて扉に目を向けるとお義兄様の声がした。

「庭の薔薇が綺麗だったから、サーシャにって」
微笑みながら薔薇を抱えているお義兄様は、花が霞むくらい美しい。

「…ありがとうございます」
言葉が出てこない。
恥ずかしくて、耳が赤くなるのを感じる。

「サーシャは、想いを寄せている方が?」
「いえ、あの…」

さっき食事中にお父様が口にした「適齢期」という言葉を聞いて、青ざめて中座してしまった。
恐れていた時がついに来たことを知る。

「いないの?」
「いない、と言うか…」

綺麗な瞳が、私だけをじっと見つめている。

「あの、お義兄様…」
一生私のモノにならないなら、せめて想い出だけでも。

「『夜のお作法』を、教えていただけませんか?」

結婚前に経験をすることは褒められたことではない。
けれども、嫁ぎ先を選べない私にとって、お作法を学び初めての夜で気に入られることはとても大事な仕事のひとつだ。
そのために、使用人から手ほどきを受ける子も多いと聞く。

嫁ぎ先が選べないならせめて、初めて触れるのはお義兄様が良い。

*****

「サーシャ、ほら、ちゃんと舌を使って」
お義兄様のモノは大きすぎて、口に全部入らなかった。

「…そう、上手だね」
優しい声に胸がドキドキする。

「あぁ良いよ。続けて」
隅々まで丁寧に舐める。
時折ビクンとお義兄様のモノが怒張を増す。

「気持ち良いですか?」
と聞くと、優しく頭を撫でてくれた。

「サーシャ、ありがとうね」
「あの、まだ最後まで…」
「今度は交代」
「えっ?」
「『夜のお作法』でしょ?してあげるだけじゃなく、してもらうことも学ばないとね」

そう言うとお義兄様は、私をベッドの上に寝かせた。
引き締まった体に、優しい重み。
お義兄様の背中越しに見る天井は、いつもより高く見えた。

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