おねだりと報酬 (Page 2)
「ああっ、ぐちゃぐちゃと鳴っていていやらしいですね。…おっと、声は出さないでくださいよ?私たちお金の確認してることになってるんですから、ね?」
口をやさしく手で覆われる。それでも、感じてしまう。くぐもった声が止まらなかった。
「さて、…限界ですよ。奥さん。…そろそろ中に入れさせてください」
私と太田さんは立ったまま、お互い一つになった。
「上からっ…下にっ。この体勢で疲れるのも格別…ですっ、よ、ねっ」
太田さんは息を荒げながら、自らのもので私を激しく突き続けた。
それが、たまらなく気持ちよくて、何より、久しぶりに私の中の性を発散できるのがとてもうれしかった。
「ああっ、おおっ、たさんっ…!だめっ、ですっ、そこっ…!はげ…しっ!」
「蕩けた顔も素敵ですよ」
そう言うと、上下の動きも激しさを増していった。太田さんも、限界が近いようだった。
「出します、よっ…!」
「あっああっ、んぐっ、あああっ、きもち…いいっ…んっ!あああっ!」
私はこらえる様にしていたが、絶頂の快楽に思わず声をあげてしまった。
*****
「大丈夫だった?なんかあーっ!って声聞こえたよ」
「お金数え間違えてました…」パートのおばさんたちはくすくすと「ドンマイ!」と笑ってくれた。…もちろん、嘘だけど。
「では、私はこれにて失礼しますね」
太田さんはそう言って去っていこうとした。私は見送りのために入口まで向かう。
太田さんは部屋から出る直前に、「今度はあなたから誘われたいですね…なんて、冗談ですよ」と一言。しかし、その顔は冗談を言っているようには思えなかった。
…これでいいのかは分からない。けれど、自分の中の出せないものを見てくれる人だった。それは確かだ。
「…健太郎、ごめんね。でも、喜んでくれるよね?私もうれしくて、健太郎も嬉しいんだから」
誰にも聞こえないように、呟いた。
Fin.
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