ただ今は愛されたい (Page 2)

そんなある日、懐かしい人物から電話が掛かってきた。

「もしもし?藍花?元気だったか?」

「海人?久しぶりだね!私は元気だったよ。海人は?」

「俺はまあまあかな〜」

「ふぅ〜ん。それで?急にどうしたの?」

「いや、なんか急に昔のメンバーで集まりたくなってさ。来週の土曜とかに集まらない?」

海人の言う昔のメンバーとは、軽音サークルで仲の良かった5人組のことだ。

私と奏太、海人、そして真姫と洋介。

そういえば真姫や洋介とも卒業してから全然会っていない。

2人も変わらず元気だろうか。

私は昔に戻りたい気持ちになり、食い気味に提案に賛成する。

もしかしたら奏太もみんなと集まったらまた昔みたいに笑ってくれるかもしれない。

「え!集まりたい!」

「よし決まりだな!真姫と洋介には俺から連絡しておくよ。奏太が来れるかどうかの確認はお前にお願いしていいか?」

「大丈夫。聞いておくね!」

「おぅ!じゃあまた連絡するわ」

*****

丁度よく奏太と一緒に夕飯を食べる約束をしていた私は、タイミングを見計らって集まりの話をしてみた。

「あのさ、今日海人から久しぶりに電話があって…。来週の土曜日に真姫や洋介達と集まらないかって。奏太の予定はどうかな?」

「あー、ごめん。その日は会社に行かなくちゃいけなくて」

「え?だって土曜日だよ?それに夜だったら…」

「土曜日でも急ぎの案件があるんだよ。とにかく俺は参加出来ないって言っておいて」

奏太は冷たく言い放ち、その話はそこで終わってしまった。

彼にとって、私だけじゃなく過去の友人達のことも、もうどうでもいいのだろうか。

私はさっきまで美味しく食べていたはずの料理が急に冷たく感じ、味さえ感じられなくなってしまっていた…。

*****

海人達と約束した日―。

予定よりも早く待ち合わせ場所に着いた私は、その場で風によって乱れた髪を直していた。

するとカバンから軽快なメロディが聞こえてくる。

「もしもし?」

「藍花?私だけど…」

名乗らなくてもその声の主が誰なのかすぐ分かった。

「真姫!どうしたの?」

「実はね…。今日集まりに行こうとしてたんだけど、急に子供が熱を出しちゃって…」

申し訳なさそうに話す真姫の声を、かき消す勢いで後ろから子供の泣き声が聞こえてくる。

卒業後、真姫とは直接会ってはいなかったが、彼女がとっくの前に結婚して子供を産んだことは連絡をもらって分かっていた。

今日集まれることを楽しみにしていたが、子供の体調が悪いのならしょうがない

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