デート帰りの甘い誘惑 (Page 2)

…え?

言葉を理解するのに私は少し時間がかかった。

フリーズしているうちに車が発進する。

「セイヤ、それって」

告白だよね?そう聞こうとする私の言葉を遮るようにセイヤが言う。

「ごめん、突然。でも、この気持ちは突然じゃないよ」

「も、もう!いくら彼女が欲しいからって身近で選びすぎだよ?セイヤに私は勿体ないよ!」

この空気に耐えきれずに私は明るく言った。

正直、事実なら嬉しい。

だって、セイヤと一緒にいると楽しくて心が落ち着く。

ノリが良いのに、同じくらい気も遣ってくれる。

私もセイヤが好きなのかな。

でも…。
私が困っているのを察してセイヤは近くにあったコンビニに急遽車を停めた。

エンジンが再度停止され、セイヤは私の方を見た。

「俺、本当にアヤミのこと好きだよ。突然だから信じられないかもしれないけど」
「セイヤ…」

「タイミングがなかったし、もしアヤミに振られたらこうして遊べなくなるから。それが怖くて言えなかった。でも、アヤミは彼氏欲しいって知ってるから誰かと付き合っちゃうんじゃないかって。…俺じゃダメかな?アヤミの気持ちはどう?」

いつにもなく真剣なセイヤに、私も真剣に考える。

私だって、セイヤが誰かと付き合ってもう会えなくなるのは…嫌だ。

いつの間にか私も彼のことが…。

「私も、セイヤが好き」

「本当に!?」
驚いたような、嬉しそうなセイヤの顔に私も照れて笑う。

「うん、びっくりしちゃって誤魔化そうとしてごめんね」

そう言うと、セイヤは嬉しそうな、安心したような表情で座席にもたれて息をついた。

「良かった…」

勇気を出してくれたセイヤが愛おしくて私は声を出して笑った。

お互い顔を見合わせて笑い、手を繋ぐ。

初めてのセイヤとの恋人繋ぎ。

それだけで私はドキドキしてしまう。

「あのさ、もう少し一緒にいて良い?」

そういうセイヤの目は少し高揚しているようだった。

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