ビッチは童貞君がお好き!?

・作

頼めば誰でもやらせてくれるとサークル内では評判のビッチな私には、片思いをしている相手がいた。彼、手塚はもさっとした見た目のためにモテず、周囲から童貞をネタにされていた。彼は私をビッチじゃなくて一人の女の子として見てくれている。そんな私が手塚のために考えたプレゼントとは――!

「おい、短いスカートはいてるな。今日もヤラせてくれよ~」

「え~?今日予定あるからムリ」

私は“ビッチ”として有名な女だ。

正直、名前を呼ばれることのほうが少ない。

理由としてはシンプルで、お金をもらったら誰とでもヤるから。

始めたのは成人したのがきっかけで、大学の学費が足りないから。

一応大学は卒業しようと思っているが、家は大家族で貧乏なこともあり、内緒でこんなことを始めていた。

若い教授とヤッたこともあるくらいだ。

「ところで、この前の罰ゲームは守るんだろうな?」

「あれ~!?あの手塚の童貞卒業手伝えってやつでしょ、それが今日なの」

手塚。ゼミが一緒でもさっとした髪型のオタク臭い男だった。

言うまでもなく童貞。友達も正直多い印象はなかった。

この前の飲み会の時に、ゲームで負けてアイツの筆おろしをやることになったのだ。

「んじゃ、行ってくるから」

私はサークルを後にすると、待ち合わせ場所の校門の近くへと向かった。

 

*****

私は待ち合わせ場所に向かいながら、手塚とのことを思い出していた。

「初めまして、よろしくね。…あっ、僕みたいな男、近づかないほうがいい?」

「…別に」

初対面はそんなところから始まった。

話したことは多くなかったが、ゼミの発表でペアになったときに彼と接することが多かった。

「どうしてあんないろんな人と、せ、せっくす、なんて、してるの…?」

手塚にそう聞かれたことは覚えている。

「金がないから」

「…君も苦労してるんだね。でも、身体を売るのは、よくないよ…」

そう言ってくれたのは、アイツだけだった。

それからというものの、私は妙に彼を意識するようになってしまった。

*****

「お待たせ」

「突然誘ってきてどうしたの?」

手塚はそう聞いてきた。私は無言で彼の手を取ると、手塚は「えええちょっと!何!」と明らかに女慣れしてなさそうな声を上げる。

そうして私は無言で彼を向かいのラブホの一室へと連れ込んだ。

手塚の顔は、見れなかった。

 

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