双子アナスタシア (Page 2)

「っ!」

「どうかした?」

「ううん、ちょっと思ってたよりコーヒーが熱くて…」

そういってふーふーとコーヒーに息を吹きかける。なんで何もしてないのに、快感がびりびり来るんだろう。
そこでやっとこの前の話を思い出した。もしかして青葉の言ってたことって本当だったの?
快感に震える指先に力を込めてカップを落とさないようにしっかり持つ。急に落としたら変に思われるだろうし。声震えないで、大丈夫大丈夫。落ち着いて私。

「顔赤いな、急に冷えたし風邪でも引いたか?」

「え、そう?コーヒー飲んだから体が温まったのかな。私ちょっとお手洗い行ってくるね」

席を立ちあがり、お手洗いに向かう。鏡を見ると頬が真っ赤だ。絶対変に思われたって。これが2時間とか続くの嘘どうしよう。何とかうまくいって乗り切るか早めに切り上げてもらえないかな。ああ、でも急にそんなこと言われえてもわがままかな。きっとヒロ君も変に思うよね。震えそうな足を叱咤して、ヒロ君の元に戻る。

「ごめん、待たせて。えっと、この後どうしようか?」

「紅葉、ごめん。ちょっとついてきて。あとこれも預かっといて」

ヒロ君がかぶっていたキャップを目深にかぶらされる。私の手を引いて立ち上がり、歩き始める。大丈夫かな。これ以上はそろそろきついけど。ヒロ君といるときはいつもドキドキしてるけど、なんだか2倍ドキドキしてる。色んな事を考えてるうちに、気が付けば人通りの少ないところを歩いていた。一軒のホテルのドアに手を掛ける。

「ここは…」

「嫌か?本当に嫌ならやめるから」

ぎゅっと手を握られ、ためらいがちに首を振る。確かにラブホとはいえするとは限らないし、単純に体調が悪いと思っている可能性もある。それにそろそろ立ってるのが限界だ。
適当な部屋のボタンを押して鍵を受け取り、エレベーターに乗る。ラブホとか初めて来たけれど、なんか内装は普通のホテルとあんまり変わらない。割と綺麗な内装、真ん中には二人で寝転んでもまだ余裕がありそうなベッド。簡単なローテーブルとソファー。
こういう場合ってどこに座ればいいんだろう。ヒロ君を見上げると目があった。キャップを取られ、軽く口づけられる。驚いて声も出ない私の手を引き、ベッドに押し倒される。

「ヒロ君?」

「もー、マジ無理。紅葉は俺をどーしたいの?」

頭の中は混乱気味で、でも体はまだ快感に震えている。快感より困惑が勝ることがあるらしい。

「え、どういうこと?全然話が見えないんだけど…」

「カフェの男の視線気が付いてたか?色っぽいだの拝み倒したらいけそうだの、俺のだっつーの。なんで今日そんな色っぽいの」

頬に手を当てられ目を覗き込まれる。視線を気にしてる余裕はなかったし、そんな顔をしていただろうか。ヒロ君の指が優しく頬を撫でた。ベッドの上で両腕を広げた。

「来て、ヒロ君」

ヒロ君は困ったように笑いながら、私の胸に飛び込む形で抱きついた。

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