嫉妬爆発させた幼なじみにNTRされたら、戻れなくなっちゃいました。

・作

幼なじみの光輝が上京した幸を訪ねる。幸は彼氏との写真を見せるが、長年片思いしていた光輝は嫉妬を隠せず、自分の想いをぶつける。押し倒されて幼なじみ以上の関係を意識した幸は揺れ動き始め…!?

「光輝、久しぶりだね! 上がって!」

玄関のドアを開けると、目の前に立つ光輝は相変わらず背が高くて、少し日焼けした肌に少年っぽさが残っている。久々の再会に私の胸は自然と弾んだ。

「お前…髪、染めたのか?」

光輝が目を細める。驚いているような、少し複雑そうな顔だ。

「あ、うん。就職してからイメチェンしてみたんだ。似合うかな?」

「…まあ、似合ってるよ」

そう言いながらも、彼の表情はどこかぎこちない。けれど、その視線には懐かしさが滲んでいた。

リビングで出したコーヒーを飲みながら、私たちは地元の話や、最近の仕事のことを語り合った。光輝は地元で営業職に就き、リーダーを任されるほど信頼されているという。

「光輝は本当にすごいね。昔から頼れる感じだったけど、もっと大人っぽくなった気がする」

そう言うと、彼は少し照れたように目を逸らす。

「いや、別に大したことしてないよ。ただ、頑張ってるだけだ」

昔からそうだ。光輝はいつも謙虚で、どんなにすごいことをしてもさらりと流す。

でも、彼が頑張っていることは、ずっと隣にいた私が一番よく知っている。

「これ、誰だ?」

不意に光輝の声が硬くなった。視線の先には、机の上に飾った写真立て。そこには、私と彼氏のツーショットが収められていた。

「あ、この人ね。最近付き合い始めた彼氏だよ」

私が笑顔で答えると、光輝の顔色がさっと変わった。その瞬間、何かがピンと張り詰めたように感じた。

「ふーん…そいつ、どんな奴なんだ?」

「優しいし、仕事もちゃんとしてて、すごく頼れる人だよ」

その言葉に、光輝が大きく息を吸い込むのが聞こえた。

「…そうか」

短く返された言葉。その中に潜む感情を、私はなぜかうまく読み取れなかった。ただ、次の瞬間には彼の手が私の腕を掴んでいた。

「ちょ、ちょっと! 光輝?」

彼の目はまっすぐ私を見据えていて、その熱に息が詰まりそうだった。

「幸。お前、本当にそいつが好きなのか?」

「え…?」

問い詰めるような口調。けれど、その奥には必死さが混じっている。

「お前、俺がどう思ってたか、ずっと気づいてなかったのか?」

その言葉に、胸が強く締め付けられた。光輝の手が私を引き寄せる。顔が近づき、息が触れそうな距離。

「お前に奪われたくないんだよ…誰にも」

光輝の声は低く、切実だった。心の奥でくすぶっていた何かが、熱を持って溢れ出しそうだった。

*****

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