死んだと思ったら異世界で王子に溺愛されました。 (Page 3)
ミルの大きいものがゆっくりと私の中に入ってくる。
「チドリの中熱い」
「あっ、あーっ」
口から零れるのは嬌声ばかりでロクな返事も出来ない。頭の中が快感でいっぱいになる。
「全部入った」
そう囁かれたと同時にポロリと涙がこぼれた。
「え、なんで、すごく今幸せなのに…」
「幸せすぎて、僕もちょっと泣きそう」
そう言いながら流れた涙をぬぐってくれた。伝えきれない愛おしさが胸のうちにあふれだすのを感じた。ぎゅっと抱きしめると、深いキスをしてくれる。
「動くよ」
「もっときて、ミル」
最初はゆっくりと始まった律動はどんどん早くなった。ミルの名前以外はちゃんと言葉にもなっていなかった。ピチャピチャなる水音、お互いの心音と呼吸しか聞こえない。
「あっ、ああんっ」
「ここかっ」
一際声が高くなったところを集中的にこすり上げられる。気持ちよさに自然と腰が動く。ミルの瞳に私が映りこんでいる。私を見ていることを急に意識して、ミルのモノをぎゅっと締め付けてしまい、苦し気にミルが短く声を上げた。
不意にぐるりと視界が反転した。
「チドリが上になって」
「えっ」
自重でミルのモノがさらに深く入った。騎乗位なんてしたことないけど、ミルにも気持ちよくなって欲しくて、それ以前に快感を追いかけて、私は腰を振る。
「みだらで綺麗だ、チドリ」
「ミルッ、イクゥッ!イク!」
「僕もっ」
「イクッ、ああっ」
「はっ…」
ミルが短く息を吐くと同時に中に温かいものがあふれるのを感じた。そっと下腹部に手を当てる。ミルに倒れ掛かると優しく髪をなでてくれる。その感覚が気持ちよくて意識を手放した。
*****
次に目を覚ました時には、白いワンピースのようなものを着せられていた。
「あ、起きた?」
「ミル。私どれくらい寝てた?」
「一時間そこそこじゃない?大した時間じゃないよ、1日は45時間もあるんだから」
この世界は一日の長さも違うらしい。穏やかに笑うミルの胸に顔をうずめると、抱きしめてくれた。揺るぎない愛情というものを身をもって感じている。また泣きそう。
「式はいつにしようか。ドレスも選ばないとね」
「早い方がいいかな。私、早くミルとの赤ちゃんが欲しい」
「じゃあ4、5日の間にドレス決めてその日に日取りも決めよっか」
私はうなづく。あの時あんなにどん底だったのに。あれは、この幸福を掴むための踏み台だったのかも。
「大事な事言い忘れてた。チドリ、僕の妻として、いつか生まれてくる僕たちの子供の母として、ずっと僕を支えて、一生一緒にいてね。僕は、君も子供も一生をかけて守り抜くと誓う。愛してる」
「勿論。私も愛してる」
交わしたキスは誓いのキスに似ていた。
Fin.
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