夜勤から帰ってきた彼が、これから出社する私に「エッチしたい」と誘ってきて…

・作

彼氏のハルと同棲している侑芽(ゆめ)。ハルは仕事の都合で夜勤をすることがあり、日勤で働いている侑芽とはすれ違いになることもある。ある時、夜勤から帰ってきたハルが、これから出社しようとしている侑芽に「エッチしたい」と言う。侑芽が「夜ね」と断ると、強引に…。 

ハル君が帰宅したのは、私が朝食を食べ終えてメイクをしている時だった。

私がすばやく眉だけ描いて玄関まで彼を迎えると、彼は今にも倒れそうなほどに足元をフラフラさせている。

「ハル君、夜勤お疲れ様」

「ありがと」

今にも消え入りそうな声でそれだけ言うと、ハル君は靴を脱いでバスルームへと直行した。

彼は仕事の関係で夜勤をすることもあり、日勤で働いている私と入れ違いの時間に帰宅してくる。

シャワーを浴びたハル君はいくらかサッパリしたような表情になり、歯を磨きながら朝食には何があるのかと訊ねてきた。

「ご飯とおみそ汁と、おかずには焼き魚があるよ。それが胃に重いようだったら、グラノーラに牛乳をかけて食べてね」

「わかった」

メイクを終え、バッグの中身を確認して家を出ようとすると、ハル君が後ろからそっと抱きついてきた。

「もう行くの?」

「うん。早く帰ってくるから、夕飯はハル君の好きなものを作るね」

ハル君は頷きながら、私の耳たぶにキスをする。私は彼の方に向き直って、ミントの香りのする唇に優しく口付けた。

いってらっしゃいのキスをすると思ったから、まだグロスは塗っていない。

「じゃあ、行ってくるね」

そう言ってパンプスに片足を入れようとした瞬間、ハル君に抱え上げられてしまった。

「え、ちょっとハル君?」

戸惑っていると寝室のベッドにすとんと降ろされ、ハル君がTシャツを脱ぎ出す。

「侑芽。五分で終わるから、しよ?」

唐突なエッチの誘いに、私は慌てて首を横に振った。いくら早くエッチを終わらせるにしても、遅くなればなるほど電車は混雑してしまう。

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