仮眠室のベッドは使用中です

・作

仕事の修羅場明けで心身共に限界の帆乃花。始発までは時間があり、仮眠室で寝ていると急に何かがのしかかる感覚が…。驚いて起きると同じく驚いた顔した主任と目が合って。慌てて起き上がろうとすると太腿に当たる感覚が。いつ誰が来てもおかしくない仮眠室でのスリルが快感に変わる…

IT企業に就職したことに後悔はない。仕事内容に不満があるわけでもないし、自分に適性があるとも思う。第一志望の会社で希望していた職に就けたことを幸運にも思っている。でも、聞いていたけれど、これはさすがに…

「終わったぁ…」

「俺も終わりそう…」

「もう、今日は帰れない…。終電終わったから、始発で帰る。ちょっと寝るわ」

IT企業の修羅場通称『デスマーチ』。その名が示す通り全員がゾンビ化する。徹夜も当たり前、かくいう私も2徹。
ぱたりと机に突っ伏して同僚達は寝落ちした。私は今にも寝そうではあったけれど、仮眠室へとフラフラと歩き出す。始発まで時間あるな。机より仮眠室で寝ようとふらつきながらも仮眠室に向かう。
ちゃんとベッドがあるし、ジャケットかけるハンガーもあるし。毛布があるっていうのがありがたい。カーテンで仕切れるのもいい。
4つあるベッドは全部空いていた。一番奥のベッドに座り、ジャケットを適当にかけてそのまま横になった。カーテン半開きだ。でも、いいか。もう意識が…。

*****

どんっと何がが身体にのしかかる感覚がして目が覚めた。

「え、何?てか、今何時…」

泥のように深い眠り。一体どれぐらい寝ていたのだろうか。目を擦り、枕元に置いていたスマホを見ると午前3時を少し過ぎたところ。1時間弱しか寝てない。

「すまない、カーテンが半開きだったから誰もいないと思ってた…」

そう声が聞こえて、顔を上げると永野主任と目があった。私は驚いた顔をしていたと思う、主任も驚いたみたいな顔をしていた。カーテンちゃんと閉めておけばよかった。

「悪い、疲れてベッドに倒れるように…」

「いえ、こちらこそすみません。カーテン気が付いていたんですけど、ちょっと完全に閉める前に意識が…限界で…。その、す、すみません」

上半身を起こそうと少し膝を立てると、太腿に固いものが当たる感触。気まずそうな主任、下手に動けない私。上半身を起こしかけた私の腹筋が限界で少し浮かしていた頭が枕に戻る。どうしよう、動けない。脚を戻したら起き上がれない、だからと言ってこの状況もまずいと思う。

「その、疲れて限界で…。悪いすぐどくから、脚戻してくれないか」

「眠気飛んじゃいました。主任はもう限界ですか…?」

わざと太腿をぐっと押し付ける。何がここまで私を大胆にさせたのか、疲れだろう。眠っても残っている疲れ、主任も疲れが限界と言っていた。極度の疲労は理性のタガも外すらしい。左右に擦る様に脚を動かす。短く息を吐いた主任が唇に噛みつくように口づけた。

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