泥棒だと思ったら彼氏でした!拘束されてはじめての快感にとまどう私

・作

付き合って三年になる彼氏、律とは最近マンネリ気味。連絡をもらって律の家に行くと、そこには怪しい男がいて……。手を拘束され、椅子に縛り付けられた私は、誰かも知らない相手の愛撫でだんだんと濡れていく

「っん…」
かみ締めた唇から声が漏れる。
椅子の上に座らされ、腕は頭上の背もたれの部分に括り付けられている。足は自由なものの、これでは体は動かせない。
私は目の前にいる人物を見た。黒いニット帽を深く被った、恐らく男だ。

律は?一体どこへ行ったの?
私はぎゅっと目を瞑ると、瞼にその姿を映し出した。

私と律は付き合って三年になる。
同い年と思えないほど大人びた律は、高校でも、大学でもかなりモテた。

端正な顔立ちは上品だし、明るい栗色の髪に茶色がかった瞳。長身も相まって、王子様みたいと周りが言うのも分かる。
かくゆう私は、150センチ前半ほどしかない背丈に吊り目の瞳。

懐かない黒猫みたいだ、と律に言われたのを今でも根に持っている。
そんな律と付き合うなんて、ドッキリではないか、と思いながら今に至るのだが……。

今朝、律から
『深結、話があるんだけど』
とだけメッセージがきた。私は愕然とした。
最近、というか一月ほど、ゼミの課題やら何やらで律と会えていなかった。
ああ、とうとうきたのかと思った。

素直な性格でない私に嫌気が差し、別れ話になるのだろう。
わかった、とだけ返し、律が住むアパートへ来た。インターホンを鳴らそうとすると、鍵が開いていることに気が付いた。
なんだか嫌な予感がして部屋に飛び込むと、見慣れない怪しい男がいたためパニックになって叫び、あっという間に縛り上げられてしまった。

やっぱり、泥棒…?
まさか、と嫌なイメージが浮かぶも、首を振ってそれを振り払う。

その時、男がこちらへ来た。ひっ、と口から空気のような声が漏れる。
部屋の電気が消されていることと、深く帽子を被っているため、顔はよくわからない。

「り…、律はどこ?
ひどいことしたら許さないから…っ!」
絞りだした声は震えていて、頼りない。男は怯むでもなく、ふっと笑ったように思った。

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