スーツを着た悪魔 (Page 2)
「はー、おいしかった!ごちそうさまでした」
「はい、ありがと」
立ち上がり食器を下げていると、タケルが後ろから優しく私を包み込んだ。
そして耳元で囁く。
「お風呂、一緒に入ろ?」
私の鼓動は急に激しくなり、一気に体が強ばった。
この言葉が何を意味するのかを知っているからだ。
「うん…いいよ」
そしてまた、私の答えも決まっている。
食器の片付けもそこそこに、私たちは風呂場へと向かった。
「今日はすごく疲れたから、ユミに癒してほしいんだ」
甘えたような、でもどこか意地悪くも感じる声でタケルは言った。
そして私の服をゆっくりと脱がせていき、下から上へじっとりと見つめ、満足げに笑った。
タケルも裸になり浴室へ入っていく。
スーツを脱いだタケルは、オスとしての本能を剥き出しにしてくる。
最初こそ普段とのギャップに驚いたが、今では期待してしまう自分もいる。
もう、タケルとでないと満足できない体にされてしまった。
軽くかけ湯をして、タケルに後ろから抱きしめられる形で湯船に浸かる。
狭い浴槽の中で肌と肌が直に触れ合い、どうしてもこれからのことを期待して胸が高鳴ってしまう。
そんなとき。
ハムっと耳を甘噛みされ、両手で胸を揉みしだかれた。
始まった。
期待した私の体はもう敏感になっている。
ベチャベチャといやらしい音が耳に直接届く。
鷲掴みにされた胸は、決して突起を触ってはくれない。
おしりの辺りに、タケルの硬くなったモノを感じながら、私もまた下腹部が熱くなった。
耳から首筋、うなじへと舌が這っていく。
ズキン、と一瞬痛みが走り、キスマークが付けられたのだと悟った。
一方、胸の方は一向に突起に触れてくれない。
もう興奮してピンと立った私の乳首は、まるで触れてほしいと訴えているかのようだ。
焦らされれば焦らされるほど、秘部への欲求も高まってくる。
だがタケルは一切触ってこない。
ひたすら、耳や首筋、うなじへ舌を這わせるのみ。
私が耐えきれずに腰をくねらせてもお構いなしに、核心には決して触れてこない。
浴室にはぺちゃぺちゃと耳をしゃぶる音と、私の荒い息遣いが響いていた。
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