聖女様のお仕事 (Page 2)
その上で筋肉質揃いと来たら。
私は頭の中に美しい顔の下にがっしりとしたとした身体つきの男性を想像して胸が高鳴った。
しかし、あまりにもおいしい話すぎはしないだろうか。
「あの、ところで。私には何もデメリットやリスクは無いのかしら」
「様々な男性と交わることに抵抗感があるのなら、それだけはデメリットだといえますが…。
精神だけ移動した方は肉体的疲労はありませんので」
あなたは大丈夫ですよね、と言いたげな顔でこちらを見るアルフォンス。
「ま、まぁ…それだけなら」
アルフォンスはうなずくと、指をぱちんと鳴らした。
すると扉が開き、アルフォンスと同じような白いローブ姿の女性がワゴンを押しながら部屋へ入ってくる。ワゴンの上には白色のローブと、両手ほどの大きさの金属のポットが乗っている。
「ではその服にお着替えをお願いします。お手伝いは必要ですか?」
「えっ!?い、いえ!一人で大丈夫です!」
その答えにアルフォンスはニッコリと笑う。少女漫画なら背景に花でも咲いているかのような笑顔だった。
「ではそれを着たら、ポットを持って向かい側の部屋へいらしてくださいね。潤滑油が入っているので必要ならお使いください」
そう言って、彼は扉の外へと消えていった。
残された私は、ワゴンに置かれた服を手に取る。手触りはシルクのようになめらかだ。形はワンピースのように被るだけのようだ。
すんなりと着替えが完了して、気がつく。
丈が、短い。ミニスカートでもこんなに短くないのではないかと思えるほど短い。下着類は一切無く、その上、胸元は縦方向にざっくりと開いている。
身体つきは現実世界に忠実なようで、大きくも小さくもない胸だが、さすがにブラジャーをつけないと心もとなく揺れてしまうのが気になる。
(まじか…これがこの世界の、”聖女”なの?聖ってどんな意味だっけ…)
ぼやいても仕方がない。向かいの部屋へ行くしかないのだ。
私にとっては夢の続きのようなものだ。何をためらうことがあるものか。
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