弱みを握られた私が、やり手営業マンのペットになった話

・作

私には秘密にしていることがあった。これがバレたら会社をクビになってしまうほどのことだから、絶対隠し通さないといけない。なのにある日、以前からしつこかった社内でも仕事のできる男にバレてしまって、秘密を守ってもらう代わりに彼の言うことを聞く羽目になってしまって…

「はい。じゃあ今日はこれ、身につけてね」

にこやかに笑う男から紙袋をしぶしぶ受け取ると、私はトイレへと向かった。
時間帯は朝。まだ始業時間前だ。

トイレの個室で紙袋を開けてみると、入っていたのはシンプルな白色の紐パンと小さなプラスチックのケースに入った玩具。
ローターと呼ばれる、いわゆる大人の玩具だ。これを下着に入れるよう、ご丁寧にメモまで書いてある。

(まるで変態カップルのプレイの一種みたい…)

ため息をつきながらメモに従って下着を履き替える。
どうしてこんなことになっているのかというと、この下着と玩具を渡してきた男、営業部の桐生主任にまさかの弱みを握られたせいだ。
私は昨日の悪夢を思い出していた。

*****

私には秘密にしていることがある。会社に勤めてそれなりの年数が経っているが、実は多少横領しているのだ。
というのも、今思えばクズ男だった元カレが私名義で作った借金の返済に間に合わない時に、私の裁量で動かせる会社のお金を一部使っていた。
言い訳になるけれど、返すつもりはあった。
これがバレたら懲戒解雇だ。だから私は必死になって隠した。幸いなことに今のところは誰にも気付かれていないようだし、
この先もずっとこのまま隠し通して、いつかはこっそり返して終了だと思ってたのだが。

「お疲れさまです」

終業時間はとうに過ぎ、ほとんど社内に人は残っていない時間帯に総務室へやってきたのが桐生だった。
年は30歳前後で割と賑やかで人懐こい、”ザ・営業マン”といった男性だ。

「おつかれー柳葉さん、今日も残業?」

「えぇ、まぁ」

私は書類から目を離さずに返事をした。正直なところ、彼とはあまり話したくなかった。理由は単純で、彼は私のことを気に入っているらしいことだ。

以前、飲み会で酔っ払った彼に迫られたことがあった。その時はどうにかかわしたものの、それ以来隙あらばアプローチしてくるようになっていた。

私に後ろ暗いところが無いなら、見た目もまずまず、仕事もできる、悪くない男性なのだからそれなりに喜べただろう。

(そんなはずないとは思うけど…まさかバレてないよね?)

私は一瞬不安になったものの、気を取り直して桐生を無視し、目の前の仕事に集中しようと頭を切り換えた。
しかし、不意に突然背後から抱きつかれた。

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