愛されすぎて…

・作

ミキとカズヤは付き合い始めて半年のラブラブカップル。ところがある日、ミキが同じゼミの男友達と親しそうに話しているのを見て、猛烈に嫉妬したカズヤ。ミキがどんなに謝っても許してくれない。「何でもするから許して」と訴えるミキに、カズヤはある提案をしてきて…。

「なあ、ミキ。アイツとはどういう関係なんだよ」

カズヤと付き合って半年になるが、こんなに怖い顔を見るのは初めてだ。

「だから、言ってるでしょ。同じゼミの友達だって」

私はため息をついた。

今日は二人とも講義が1コマで終わりだから、一緒に帰ってラブラブな一日を過ごす予定だった。
それなのに、小講義室に私を迎えに来たカズヤは不機嫌になった。
キャンパスを出てカズヤのこの部屋に着くまで、一言も口を聞いてくれなかった。

今ようやく口を開いてくれたものの、とても不機嫌だ。
どうも、迎えに来たときに私が話していた男友達との仲を疑っているようなのだ。

「ゼミが同じだと、あんなに仲良くなるわけ?アイツ、ミキのことつついてたぞ」

う~ん、しつこい。

「うちのゼミ、10人しかいないから、かなりアットホームなの。特に中川クンは気さくで…誰にでもあんな感じなんだよ」

「ふ~ん…中川クン、ねぇ…?」

同じ大学でもカズヤは学部が違うので、約束しなければ、キャンパス内で会うことは少ない。
知らないことは気になるのだろう。
ゼミの雰囲気も全く違うのかもしれない。

「とにかく、今ミキの顔見たくない。付き合い始めたとき言ったでしょ?俺、けっこうヤキモチやきだから気をつけて、って」

「それは覚えてるよ。だから私、カズヤがヤキモチやくようなこと、何もしてないよ」

必死に訴える。

いつも優しいカズヤがこんなに怒ったのは初めてだ。

私は何も悪いことしてないのに…。

理不尽だと思いつつ、早く機嫌を直してほしい。
カズヤのことが好きで好きでしょうがないんだと、改めて痛感した。

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