忍び寄る指先 (Page 5)
立ち上がると、私の手を引きながら、劇場を抜け出した。
ロビーに出ると、ニヤニヤしながら言った。
「あんなところでイッちゃうなんて、いやらしい子だねえ」
黙ってうつむいた私は、手を引かれて、力なくついていく。
*****
多目的トイレに連れ込まれた。
男の指でイッてしまって、もう逃げたり抵抗したりできなくなっていた。
恥ずかしさ、惨めさ。
…そして、もっと気持ちよくなりたい、という密かな願望。
男はいきなり私のショーツを下ろした。
「こんなにグチャグチャになっちゃって…もっと気持ちよくしてあげる…ほら、壁に手をついて」
言われたとおり、壁に両手をついた。
「腰を突き出して…もっと。そう、いい子だ。さっきからこっちはビンビンなんだから」
言われて恐る恐る振り返ると、男のソレはものすごくそそり勃っていた。
ああ…なんて大きいの…
期待でアソコはますます潤んでくる。
彼はソレをアソコの入り口にあてがった。
そして尻たぶをつかむと、一気に入ってきた。
「アアーっ!」
長すぎる前戯と、一度絶頂を迎えたアソコは、すんなりと受け入れた。
固くて太く、そして長いソレが、ナカの感触を楽しむかのように、ゆっくりピストン運動をする。
一度イッたアソコは敏感になりすぎて、どんな動きをされても気持ちよかった。
いや、動かずに、入っているだけでも快感に震えてしまう。
悟とのセックスではこんな快感を得たことはない。
愛しているのに。
「じっくり楽しみたいところだけど、長居したら迷惑だからね、早く済ませようね」
勝手なことを言っている、と思いつつ、そのとおりだ。
彼は腰の動きをどんどん速めていく。
パンパン!というリズミカルな音と、グチャグチャという卑猥な音が、トイレの中に響く。
痛いくらい太いペニスが、私のいちばん奥を激しく打ち付ける。
トイレなんかで…
こんな動物みたいな格好で…
知らない男にヤラレてるなんて…
映画とは違って、ロマンチックのかけらもない。
なのに、嘘みたいに気持ちいい。
さっきの女優さんのように大声を上げた。
「アッ!アッ、ア~っ!」
男も叫んだ。
「イクっ!」
その瞬間、熱い液体が放たれた。
ドクッ!ドクッ!
いちばん深いところでそれを感じながら、私もイッた。
男は急いでズボンを上げると、微笑んだ。
「すごく気持ちよかった」
そして、足早に出ていった。
*****
映画館の前で悟が待っていた。
「今日は本当にごめん」
「ううん、大丈夫」
私のナカから、熱い何かが溢れ出してきた。
Fin.
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