忍び寄る指先 (Page 3)

くすぐったさと不快感、そして映画に集中できなくなった腹立たしさで、その右手を、両手で精一杯持ち上げようとしたが、全く及ばない。

小さな声で、でも強い口調で言った。

「やめてください」

ところが彼は完全に無視して、私の両手首を軽くつかんだ。
体をぐっと寄せてくると、つかんだ両手首を左手で持ち直す。

改めて、右手が内股を触り始めた。

手のひらは熱くて柔らかく、這うように動き回る。
指先で、サワサワと内股を撫でながら、ショーツの方に近づいては離れ、またショーツの方に近づいてくる。

両手首をつかまれたままで、抵抗もできない。
頑張って脚を閉じたものの、逆に彼の手を挟み込んでしまい、右の内股にまで触ってくる始末。

内股は、じっとりと汗ばんできた。
脚を閉じているのがだんだん疲れてきて、ふっと力が抜けてしまった。

その隙に、指先が股布の部分に触れてきて、上下に撫で始めた。

イヤなのに、体がボーッとしてきて、背もたれに体をあずけた。

映画の中では、男女の行為が終わっていた。

…と、指先が股布の脇から潜り込んできた。
そして割れ目を撫でた。

グチョっ!

イヤな音がした。
とても小さな音だったけれど、慌てて周りを見回す。

右隣は、悟が座るはずだったので誰もいない。
その隣には中年の女性が、真剣に映画を観ていた。

グチョっ…グチョっ…

なぜそんな音がするのか、わからなかった。
不快感による汗の音か。

器用な指先は割れ目を這いながら、クリトリスを弄った。

「ヒイッ!」

強い刺激に思わず声が洩れ、慌てて口をふさぐ。

男は私の耳元で囁いた。

「声出しちゃダメだよ…バレたら恥ずかしいでしょ?」

なんだかおかしな理屈だが…
私は何も悪いことしてないのに…

でも、泣きそうになりながら、うんうん、と頷いた。

「そう、いい子だね」

また囁くと、指の動きは大胆になった。

「もうちょっと脚を開いて…力を抜いて…。そう、いい子だね」

いい子いい子と言われる度に、なぜか私は従順になっていった。
もう23歳だし、いい大人なんだけれど。

私の肩を抱き抱え、自分の方に引き寄せる。
左手の指が、ゆっくり、ゆっくり、私のナカに入ってきた。

ものすごい刺激に、思わず腰を浮かせてしまう。
そうすると、指は自動的にさらに奥へ入ってきてしまった。

ああ、気持ちいい…

指は、ヌチョ、ヌチョ、と膣内をかき回す。
ぐっと奥へ侵入したかと思うと、またゆっくり引き抜き、小刻みに震わせながらまた入ってくる。

この人、うまい…!

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