幼馴染の恋人

・作

僕には幼いころから隣の家に住んでいる、幼馴染の恋人の「アキ」がいる。彼女はいつも僕を引っ張って行ってくれて、こんな僕を好きだと言ってくれる。でも、部屋に遊びに来てくれた時でさえ僕は手を出せなかった。今回こそは――。

「やぁ、今日も遊びに来たよ~」

僕の恋人、アキはそう言っていつものように僕の家の階段を上っていく。

彼女は子供のころから仲が良くて、いわゆる幼馴染というやつだ。

いつも気弱な僕のことを引っ張って行ってくれて、徐々に彼女に惹かれていった。

僕が勇気をもって告白して、彼女が頷いてくれた時の幸福感は今も忘れられない。

「今日も一緒にゲームしてあそぼっか」

「あ、この前言ってたやつでしょ?楽しみ~」

子供のころと変わらない話をしながら、僕は彼女と二人、部屋の中へと入った。

*****

「あー、いい感じだったのにね」

「くそー…惜しかったな~」

アキは少し残念そうにゲーム画面を見つめながらそう言った。いつもだったらここでもう1回!とゲームを続けるのだが、彼女は珍しく疲れたのかごろりとカーペットの上に横たわった。

彼女の胸がちらり、とのぞく。僕は唾をのんだ。

僕たちは付き合ってかれこれ数年たつにもかかわらず、未だに1回もセックスをしたことがない。

誘うのは、男の僕の仕事なんだろうけど。…できなかった。

けれど、けれど。本当は僕だってそういうことをしたい。アキのことが好きだから。

今回は、もう、我慢ができなかった。

「アキ」

僕が彼女のことを呼ぶと、「なぁに~?」とアキはこっちを見る。

振り返った彼女に近づいて、僕は口づけをした。

「ごめん…限界だよ!」

*****

服を脱がせて、彼女をベッドの上に倒れこませる。

筋力が無いのでキツかったけど、こういう時くらい男らしさを見せたかった。

アキのショートパンツと胸元の見えるシャツを脱がせていく。

アキは無言で僕の腰に手を伸ばし、抱き着く。

「…待ってたんだよ?」

「うう…」

そんな風に言ってくれる彼女の優しさが、温かさが、本当に好きで好きでたまらなかった。

「アキ、好きだよ」

僕は何度も何度も口づけをする。そのたびに、アキは可愛らしい声をあげたり、少しとろけた目でこっちを見る。

その顔がとても愛おしかった。

「えっと、脱がせて、いい?」

僕は唾を一つ大きく飲み込んで聞く。アキは笑顔で答えてくれた。

 

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