優しい旦那様は放置プレイで豹変するようです

・作

結婚して三年目の朝井杏には、ちょっと贅沢な悩みがあった。それは、旦那様である遥介(ようすけ)のえっちが優しすぎること!正直、もっと激しく求めてもらいたい…でも、こんなはしたないこと言えない!そんなある日、夫が一ヶ月間出張へ行くことに。寂しいと思ったのも束の間、突然帰ってきた夫に獣のように求められて…!?

「大丈夫?痛くない…?」

遥介の優しい声が、汗と一緒に降ってくる。

ああ、エアコンを入れれば良かったなと思いながら、私は「うん…」と頷いた。

多分、平均より大きめの遥介のペニスが、私の奥の奥までずんずん突いてくる。

しかし、その動きは酷く優しいものだ。

入れるときも焦らすようにゆっくりだったし、全部収めた後は私がナカのモノに慣れるまでじっと動かない。

顔や首筋にたくさんキスを落とされて、私が「もう動いて」とお願いしてから、ようやく腰の動きは再開されるのだ。

それは、今日も同じ。

ゆるやかな快楽が、まるでコップに水が溜まるみたいにじわじわ高まっていって、私は遥介にしがみつく。

「遥介、もう…っ」

「うん…俺もイキそう…」

オーガズムが近づき、少しだけ遥介の動きが速くなる。

結婚して三年、結婚するまでに五年くらい付き合ってるから、遥介は私が感じるところをちゃんと知っていて、きちんとそこを狙ってくれるから気持ちいい。

「ぁっ、あ――ッ!」

「ッく…」

きゅうっと私のナカが遥介を締めつけたのがわかった。それ以上に、脳が白むような快楽が脊髄を駆け抜けていき、とっさに遥介の背中に爪を立ててしまう。

どちらの刺激に反応したのかはわからないが、遥介もわずかに声を漏らして達した。

強く抱き締められて、抜くのと同時にへらっと笑いかけられる。

汗で張り付いた髪を払うように、頬に触れられた。

「気持ちよかった、ありがと。杏は大丈夫?痛いところとかない?」

「ない、大丈夫…」

…けど、優しすぎて少しだけ物足りない。

そんなことは、いえるわけもないんだけど。

*****

遥介は初めてえっちしたときから今日までずっと、まるで焦らしプレイかと思うほど優しい触れ方しかしてこない。

私もそう経験豊富なわけじゃないけど、性癖というものはあるわけで…。

実はちょっと強引にされるほうが好きなのだ。

私が嫌だ、やめてっていっても止めてもらえず、延々と責められてみたい。

恥ずかしいプレイとかさせられて、最後にはわけわかんなくなっちゃうくらい気持ちよくなってみたい。

だけどそれは全部妄想で、実際は恥ずかしくて、遥介におねだりしてみたことさえないのだ。

なので、彼に隠れてこっそり陵辱モノの官能小説や動画なんかを見て、エグい動きをするバイブなんかを突っ込んで、手酷く責められる妄想をする。

浮気をしようとは思わない。セックスで得る快楽以上に、彼のことが好きだから。

だけど理想の快楽が欲しくて、バイブにも手を伸ばさずにいられないのだ。

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