彼氏が入院!慌てて病院へ駆けつけると、”エッチなお願い”をされてしまい…
あゆりの彼氏である宙(そら)が、過労により倒れて入院することになった。慌てて病院へ駆けつけたあゆりだが、それほど容態が悪いわけでもなく、すぐに退院できると説明された。ホッと胸をなでおろしたのもつかの間、宙に”エッチなお願い”をされてしまい…。
彼氏の宙くんが倒れたと聞いたのは、職場の昼休憩だった。
私はスマートフォンに残された宙くんの妹からのメッセージを見て凍りつき、慌てて病院へ駆けつけたのだ。
病院では宙くんの母親と妹が来ており、突然押しかけた私のことも嫌な顔一つせず迎え入れてくれた。
「あゆりちゃん、来てくれてありがとう。心配かけてごめんね」
「いいえ…。あの、宙くんはどうしたんですか?」
「ちょっと働きすぎたみたいで、過労だって。でも、少し休めば大丈夫ってお医者さんが言ってたから」
彼の母親が、私に無用な心配をかけまいとして優しく話してくれていることが伝わり、胸が詰まった。
宙くんは多忙な部署に勤務していて、最近はめっきりデートの回数も減った。
「もっと構ってくれないと、浮気しちゃうよ?」
なんてふざけたメッセージを送り、「今度の休みにはどこかに出かけよう」と約束したばかりの入院だった。
彼の家族は入院に必要なものを揃えるために一度帰宅し、私は一人で病室へと向かった。
個室のドアをノックすると、小さな返事が聞こえた。
「あゆり」
ドアを開けると、宙くんが心から嬉しそうに微笑んだ。
「宙くん、大丈夫?」
「ああ。倒れた時のことはあまり覚えてないけど、今はもう平気」
私はそっと彼の髪を撫で、自分の額を彼の額に押し当てる。病院の寝間着から彼の香りがして、一気に涙が溢れてきた。
「…あゆり、心配してくれたんだよな。ごめんな」
私は涙で言葉が出ず、首を横に振った。
こんなにも彼が疲れているのに、甘えていた自分にほとほと嫌気がさしたのだ。
「宙くん、ごめんね…。私がわがまま言ったから」
「あゆりが悪いんじゃないよ。だから、泣かないで」
彼は私を強く抱きしめると、優しいキスをしてくれた。二週間ぶりの、彼の唇だった。
「宙くん。何か、欲しいものはある?」
「欲しいもの…」
彼は一瞬、きょとんとした表情を浮かべたが、すぐにいたずらっぽく笑って私の胸に顔を埋める。
「あゆりが、欲しいかな」
「はい?」
聞き間違いかと思った矢先、彼の手でベッドに引き込まれた。
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