和解エッチは甘く激しく
小春とキヨは、同棲中。お互い意地っ張りな性格のせいでケンカすることも多い。今回もまた些細なことがきっかけでバトルが勃発。トラブルに巻き込まれた小春を体を張って守ったキヨ。お互いの大切さに改めて気づいた二人は、貪りあうようなキスをして…
きっかけは、ホントに些細なこと。付き合って三年、その内同棲期間が二年。これだけ長く一緒にいるから、お互い大体相手の性格も理解してる。
なのに不思議。なんでケンカってなくならないんだろう。
「だから謝ってんだろ?」
「そんなの謝ったうちに入んないから!不満げなの丸出しじゃん!」
「謝り方にまで文句つけんなよ、めんどくせぇな」
「はぁ!?もういい、キヨなんて知らないから!」
勢いに任せてバン!とテーブルを叩き、私はそのまま家を飛び出す。もちろん、キヨは追いかけてこなかった。
「あームカつく!なにあの言い方!」
たぶん、冷静になれはどっちもどっちなんだよね。仕事のストレスとか、ちょっとした言い方とか、そういう些細なことが積み重なってお互い素直になれない。
…追いかけてきてくれたっていいじゃん。キヨのバカ。
ブツクサ言いながら、人気の少ない夜道を歩く。つい飛び出してきちゃったけど、スマホも財布もなにも持ってない。
「お姉さん、一人?ヒマなら遊ぼうよ」
いつのまにか隣にいた、いかにもチャラそうな男。チラッと横目で睨んで、そのまま無視する。
「冷たいなぁ。でも俺、生意気な女って好きなんだよね」
は?気持ち悪!
「ちょ、触んないで!」
「騒ぐなって。二人になれるとこ行こ?」
「やっ、離してよっ!」
「騒ぐなっつってんだろ、刺すぞ」
ドスの効いた声色に、体が固まる。
うそ、やだ、怖い…っ
「キヨ…っ」
「テメェなにやってんだよ!!」
泣き声で名前を呟いた瞬間、後ろからキヨの聞いたことのない怒号が響いて。
気がつけば、隣の男が地面に転がっていた。
「いってぇななにすんだコラァ!!」
「それこっちのセリフなんだよ!人の女どこ連れ込もうとしてんだ!!今警察呼んだからな!!」
私を背中に庇い、キヨは怯むことなく声を張り上げ続ける。
さすがにまずいと思ったのか、男は舌打ちしてそのまま逃げていった。
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