思い出の貴方と現在の貴方 (Page 2)
シオリの将来の夢は父のようなフォトグラファーになることだった。
そしてシオリにチャンスがやってきた。
高2のとき撮った写真が、写真雑誌の賞に入り、ある写真家の目に止まり高校を卒業したら自分の元で勉強しないかと。
シオリは悩み、絶対フォトグラファーになってタカシに会いに来ると約束をしてタカシと別れる。
恋愛と夢、シオリは夢とチャンスを選び、卒業後日本を飛び立った。
しかし現実は厳しくて、弟子という名の写真家の愛人になっていた。
だが、シオリは諦めず海外で有名なフォトコンクールに応募して賞を取る。
それをきっかけにフリーになり、今回の凱旋個展を開けるまで努力したのだった。
そして今日、原点となった場所を撮ることで過去に終止符をつけようとしていた。
未熟な頃の忘れられなかった恋心と一緒に…。
「そして君とあの場所で再会して…君のことも…諦められないって…」
タカシの舌と指がシオリの中心部で激しさを増し、今思っていた過去の思考を蜜液とともに解き放った。
ヒシャヒシャ…。
激しく潮を飛ばし、シオリは達する。
思考はショートして快楽に染められた。
「やっと、僕のもとに帰ってきたんだね」
「…ぅん、だか、ら…もっと…気持…ち…ぃい、こと…シよ」
蕩けきり、欲望を隠さないシオリはタカシのズボンに手をかけ、タカシの雄を取り出した。
「ぉっきく、なってる!」
嬉しそうに雄の根本を指で摘み、トロトロになっている蜜口に押し込んでいく。
「ぁん、気持ち…いい…ぃぃよ…」
グリグリ奥で咥え込みシオリは腰を揺らす。
その姿にタカシも煽られ、腰の動きを早める。
薄暗い暗室にはパンパンと鳴り響く音と酸いニオイが充満していた。
*****
後日、シオリの個展には青空の下、蕾が残る開花始めの桜の木をバックに眩しそうに写る少年の写真。
その横には、闇夜の中、花弁が散りゆく桜の木をバックに妖艶に微笑む青年の写真が並んでいた。
Fin.
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