思い出の貴方と現在の貴方

・作

シオリは6年ぶりに日本に帰ってきた。その足で思い出の場所に行き、思いがけない人と再会する。フォトグラファーになるきっかけを作った、当時付き合っていた彼が母校の教師としてシオリの目に現れたのだった。戸惑うシオリに彼は…

シオリは日本に着いて、すぐカメラと必要最小限の物だけ持ってその場所に向かった。

1週間後に迫った写真展の準備をするために。

日曜日の午後、グラウンドで部活をする生徒はいるが、校内はひっそりしていた。

約束の時間まで、時間がまだあると、シオリは校内の中庭に足を向けた。

中庭には大きな桜の木がある。

シオリがフォトグラファーになったきっかけの場所でもあり、今回の個展のため、その原点になった場所をレンズに収める許可を取っていた。

中庭に着くと桜の木は存在していて花弁が舞い散っていた。

(6年前は、花の舞い散る前だったな)

懐かしさに目を細めて眺めるシオリは、木を背に座っている人に気づいた。

(…まさか…)

シオリに気づいたその人が立ち上がり近づいてくる。

「お待ちしていました。写真部の顧問で今日の案内役の広瀬です。ここではなんですから、写真部の部屋で予定の確認をお願いします」

「わかりました。今日はお願いします」

シオリは広瀬の後をついていった。

*****

現像液のニオイに混じって微かに甘酸っぱい体液のニオイ。

薄暗いその部屋でシオリは広瀬に秘部を舌で嬲(なぶ)られている。

「舐めても舐めても溢れてきて、ココも昔はこんなに大きくなかったのに…離れている間に随分、シオリは変わってしまったんだね」

「あ、んな…学生時代の…ぁっ…約束なんて…」

「ま、僕も本気にはしてなかったけど…君がこうして日本に戻ってくるまでは…」

シオリと広瀬は高校の同級生だった。

シオリは写真部に所属していて、通っていた学校は写真部の部員が卒業アルバムの写真を担当することになっている

高2のとき、シオリは卒業アルバムの担当になり、その時生徒会長になったばかりの広瀬と卒業アルバムの制作をすることになった。

それをきっかけに2人は付き合い始めた。

「タカシこそ…な、んで…教師…ゃっ…そこ…ダメッ…」

「相変わらずここ弱いんだ」

蜜口を弄んでいた舌は上の突起に移り、タカシの指がシオリのいい所を摩擦してきた。

「ぁぁ、そうだね。なぜ教師にかって?親父の仕事を継ごうとしたんだけど、君と同じように夢を諦めることができなかったんだよ…」

タカシはそう寂しそうに笑った。

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