精力あふれるヒモ彼氏に忘れ物を届けてもらったら駐車場で犯されて… (Page 2)

「げ…やっちゃった…」

あのあと、なんとか円を引っ剥がして遅刻を免れた私は、会社で鞄の中を覗くなり、さーっと顔が青くなるのを感じた。

午後の会議で使う資料を保存した、USBを忘れたのだ。

あれがないと、今日の会議は進まないのに。

「どうしよう…さすがに取りに帰れないし」

今日は朝から打ち合わせが詰まっていて、とてもではないが抜け出せそうにない。

はあ、と私の口からはため息が漏れた。

一つだけ手がある。

家で寝ている円に持ってきてもらうのだ。

しかし平日の昼間から、どう見ても働いていなさそうな彼氏が、私の職場に来るのは大分抵抗がある。

脳内で会議資料と彼氏の存在を天秤にかけるけど、元はといえば忘れてきた私が悪い。

いや、ベッドから離してくれなかったあいつも悪いけど!

「しょうがない、背に腹はかえられないか」

私はスマートフォンをとった。

*****

「よっ、桜子。これだろ?」

「ありがとう、円!」

昼休み。

会社の駐車場に現れた円に、私は飛び付かんばかりだった。

タイトスカートのスーツを着込んだ私に対し、円はラフなTシャツにジーンズだ。

このあたりはオフィス街なので、円の格好は少し目を引く。

待ち合わせを駐車場にしてよかった、と私はこっそり胸を撫で下ろした。

「どうでもいいけど、なんで駐車場?」

「えっ?い、いや、正面だと人も多いし、受付もしないといけないから」

「ふーん…」

笑ってごまかす私を、円が意味深な目で見下ろす。

ほんと、黙って立っていれば、いい男なのに。

均整の取れた長身は、私好みの細マッチョだ。

まあ、ヒモでもこうして助かることもあるし、いいんだけど…。

「桜子、今って昼休みなの?」

「あ、うん。ちょうど昼休みに入ったばっかりだし、お礼にご飯でも行こっか」

「いや、それより…」

ぐいっと円に手を引かれる。

連れて行かれたのは、駐車場の奥のスペースだ。

近くにはゴツい黒のバンが停まっていて、大きな柱の影に隠れるようにして壁に身体を押し付けられる。

太ももを割るように、足が差し込まれた。

あ、嫌な予感。

「俺、こっちのご褒美のがいいな」

にっこりと笑った円の笑みに、私は顔が引きつるのを感じた。

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