白い海に溺れて (Page 5)
その日を境に、私は眠れるようになり、夫の浮気に対して惨めな気持ちになることも自然としなくなっていた。
夫婦として、無理に仲良くしようと取り繕い、我慢をする必要なんてしなくていいのだ、と思えるようになったからだ。
そして、私は週に一度、先生の手で女としての自分を認めてもらうという施術を受けることにした。
先生が何者なのか、彼の正体は全くわからない。
もしかしたら、私のこの思考も、先生の催眠術によってコントロールされているのかもしれないけれども。
これで、いいのだ。たった今、気持ちがよければ。
快楽の海は、どこまでも深い。
Fin.
レビューを書く