窓際のアルストロメリア (Page 4)

彼に導かれたのは、花屋の奥の仮眠室のようなところだった。

頻繁に寝泊まりをしているのか、ベッドは十分に広く、綺麗に整えられていた。

彼は、そのベッドの縁に座ると、私に、向かい合って膝に座るよう、ポンポンと自身の膝を叩いて誘導した。

私は、自分の心臓が、張り裂けそうなくらい脈打っていることに気がついた。

いつも知り合ったその日限りの男性と行為をする時は、全く緊張などしないのに、好きという感情だけでこんなにも体は正直なのか。

彼の膝にまたがると、彼は、私の背中に手を回した。

彼の胸にもたれかかると、先ほどまで選定していた花の香りと、少しの汗の匂いがした。

彼は、背骨の一つ一つを確かめるように、触れるか触れないかのタッチで私の背中を撫でた。

びくりと、自分の意思に反して体が反応し、震える。

今度は片手で私の髪をすくと、耳に触れる。

彼は、私の反応を見ながら、どこが感じるのかを楽しそうに探していた。

「かよちゃんは、耳が弱いね」

彼は、そう、耳元で囁いた後に、髪をかきあげると、私の耳の輪郭を舌でなぞりあげる。

差し込まれた舌がピチャピチャといやらしい音を立てて、まるでその音が脳の奥まで響いているような感覚になり、どんどん体から力が抜けていく。

おしりから背中を撫でていたもう片方の手は、服の間から差し込まれ、ゆっくりとホックを外される。

そのまま、服の中を這い、彼の手は私の正面へと移動した。

ホックを外されたブラの下から、円を描くように、ゆっくりと乳房を揉みしだかれる。

私は快感から、自分の体に鳥肌が立つのを感じていた。

もっと、彼が欲しい。

自然とその気持ちが湧き出て、私は彼の与える快感により一層身を委ねて声をあげた。

「そのまま、パンツも脱いで、太ももを立てて、脚を広げて?」

彼は、鋭い目で私の目を見て、そう命じる。

彼に、見られ、そしてその姿を見て、彼が興奮している。

その事実がとても喜びに思えた。

パンツを脱ごうと腰までずらすと、そこは既に糸を引いていて、粘液の筋がぷつりと切れて床に落ちた。

薄暗いが、見える明るさのため、自分の秘部がどうなっているかということくらい、十分に想像がつく。

「びしょびしょだ」

彼は嬉しそうに微笑むと、指を二本、私に見せつけるかのように、官能的に舐めた。

そしてその指で太ももを下からなぞりあげ、その先の行き止まりの蜜壺に、ゆっくりと差し入れる。

今までよりも強い快感が、ビリビリと体を駆け巡り、私は一層大きな声を漏らす。

彼は、私の表情と体の反応を見ながら、ゆっくりと中をかき混ぜ、弱いところは重点的にゆっくりと押し、擦るように動かした。

体の下腹部がキュウと締まり、絶頂が近くなり、勝手に脚が閉じてしまう。

「駄目だよ、閉じちゃ」

もう片方の手で、閉じようとする脚を制すると、先ほどよりもかき混ぜるスピードを早めた。

「イク!!」

頭の中が、真っ白だ。こんな感覚になったことが、今まであっただろうか。

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