私のペット

・作

子犬系の彼氏、弘樹に振り回される毎日。一日掻いた汗を流そうとシャワーを浴びようとするが、いつの間にか全裸姿の弘樹が背後に立っていた。「洗ってあげる」と優しく声をかけてきたが、その手つきはもどかしくて、いやらしくて……。

私にはペットがいる。巷で可愛がられているような、そんな類のものではない。私よりももっと体格も大きく、筋肉質で、帰宅するなり私を背後から抱きしめ、愛おしそうに尾を振る一般男性だ。帰宅したばかりで汗ばんでいる私のことなど気にも留めずに、ペット、もとい同棲相手である弘樹は首元に顔をうずめる。汗の臭いが気になるのでくっつかないでほしい。

「離して、っていうか暑いの。シャワー浴びさせて」

「手伝うよ。いい香りだなー、京香の体臭の香水があれば……」

内装業の仕事をしている弘樹は、いつも私よりも早く仕事を終える。先に帰宅してシャワーを浴びた人間に、べたべたとくっつかれるのは耐えがたい。私は弘樹を無視して風呂場へと向かった。熱いシャワーを頭から浴びていると、風呂場のドアが開く音がした。想像通り弘樹が全裸になり、狭い洗い場へと侵入してきた。

「お邪魔しまーす」

背後から抱きしめられると弘樹のたくましい胸板と腹筋を感じた。密着した二人の体に沁み入るようにお湯が流れていく。腰に当たる弘樹の男性器や、たくましい太腿に意識がいく。

弘樹はいつだって子犬のように私を求める。そして私の心をざわつかせる天才だ。「洗ってあげるね」といい掌にボディソープを取り、丹念に泡立てていく。私の首から背骨にそって大きな手が滑り降りていく。腰のくびれの辺りでその手は左右に開き、臍や胸の方へと泡を伸ばす。何度か繰り返していくと弘樹は両手で乳房を揉み上げ始めた。洗う以外の目的にシフトしていく。指の腹でやさしく胸の頂を押しつぶし、爪の先で引っ掻く。弘樹が襟足から覗く首元に舌を沿わせると全身に鳥肌が立った。

「んっ、ちょっと、弘樹……ちゃんと洗って……」

「わかった。京香のここもきれいにしよっか」

弘樹は私の下半身に手を伸ばし、いやらしい手つきでその中を探る。指の腹が私の最も敏感な部分を掠め、即座に立っていられなくなった。壁に手を突き、必死で声を抑えた。私の弱い部分を知っていて、その反応を楽しんでいるようだ。弘樹は器用に私の体を支えながら、優しくクリトリスを前後になぞる。

「きゃ、きっ……んあっ!やだ、やめて、こんなところで」

「隣近所に聞こえちゃうね、風呂場でヤる若いカップルと思われるかも」

口元を押さえて喘ぎ声が漏れないよう奮闘する私を見て、弘樹は満足げに笑う。言葉では反抗しているが、体は弘樹を求めてやまない。あきらかに泡以外の何かが下半身を潤し、弘樹の手を濡らしていた。

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