金曜日の夜はコーヒーとともに (Page 3)
「美緒ちゃん、息切れしてるけど、まだここからでしょ…?」
彼が自身のシャツを無造作に脱ぎ、ベルトに手をかける。
カチャカチャと金属音がこれから始まることへの合図のように、胸を昂らせた。
あぁ、欲しい。彼でいっぱいになって、彼の淹れるコーヒーのように身も心も溶けてしまいたい。
そう思った願いが通じたのか、急ぐように、彼は昂った自身の杭をわたしの秘部にあてがった。
「入れるよ…?」
「来て…っ…あぁっ…!」
湿ったあそこは彼をすんなりと受け入れた。
体の中心から、血が一気に行き渡るかのように、快感が駆け巡る。
祐介さんの鋭い瞳が、少し苦しそうに歪んでわたしを見下ろした。
あぁ、彼もわたしを欲しているのか。
「美緒ちゃんの中っ…すごくいいっ…」
ベットのスプリングの音が次第に大きくなっていく。
彼はわたしの反応を見ながら、徐々によい所を探り当てては、ピンポイントにそこの律動を繰り返した。
体が揺さぶられて、頭の中ではさっきの夢のような、どろどろとしたいやらしい液体のような残像が映し出される。
もっと、激しく揺さぶって、壊れてしまうまで。
「祐介さ…っ気持ちいいの…っもっと…!もっとぉっ…!」
自分の声とは思えない、いやらしい情けない台詞を発すると、彼はそれに応えるように激しく腰を打ち付けた。
ぱん、ぱん、と肌と肌がぶつかる音が、より自分たちの気持ちを昂らせた。
「あぁ…!もうダメ!イッちゃう…!イッちゃ…っ!」
「俺ももう我慢できないかも。美緒ちゃん…っほら、一緒にイッて」
「あっ…!あぁ…っ!」
わたしの腰が快感で逸れるのを制するように、グッと体を押し付けられる。
体の一番奥深い所で、ビクビクと彼が中で果てるのがゴム越しに伝わり、自分の中の収縮が助長される。
足先から頭の先まで、何度も快感の波が駆け巡り、びくりと痙攣を繰り返す。
鋭い目と、額についた彼の黒い髪から垂れる汗を見たのを最後に、わたしはまた意識を手放した。
———-
「で、美緒ちゃん今日この後はどうする…?」
低い声が、回想していたわたしの意識を現実に引き戻した。
心臓の鼓動が早くなり、パナマ産の香り高いコーヒーを残り1口飲み干して。
「今日は、この後は何もないので…」
彼の鋭い瞳が、キャンドルの炎に合わせてゆらゆらと怪しく光ったのを合図に、彼は私の顎に手をかけた。
コーヒーと、彼のタバコの香りが毎週金曜日、ドロドロとわたしを溶かしていくのだ。
Fin.
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