金曜日の夜はコーヒーとともに

・作

大企業で働く入社3年目の美緒は、毎日残業に追われて疲れていた。唯一の癒しは、毎週金曜日の夜に通っている喫茶店でコーヒーを飲むこと。店長の祐介は彼女より10歳も年上だが、いつも彼女を癒すためにコーヒーを入れていた。だが、ある日残業で疲れた彼女が店内で寝てしまったことをきっかけに事態が動き出す。

今日も怒涛の1日が終わった。

時計を見ると、時刻はもう22時。

わたしは急いでパソコンを閉じると、足早にオフィスを出る。少し汗ばんだ体に張り付くシャツを湿った夜風が通り過ぎていくのが、心地よい。

今日は、金曜日。

そう、あの日だ。

わたしにとって、これ以上ない、癒しの時間。

 

目的地の駅の改札を降り、右手の裏路地をどんどん進んで行く。

次第に薫ってきた、重くて香ばしいコーヒーの匂いが、鼻をくすぐる。

わたしにとっては、それは官能的な情事を想起させるには十分な、香りだ。

カランカラン。

お店のドアプレートはクローズになっているが、恐る恐るドアを開けると、ベルの音が鳴り響く。

店内は薄暗く、淡いキャンドルの炎がゆらゆらと動いていた。

カウンターの奥から、低い、聞き慣れた声が聞こえる。

「いらっしゃい。今日は遅かったね、待っていたよ。今日は珍しくパナマ産の豆が手に入ったから、それでいいよね?」

この喫茶店の店長祐介は、毎週金曜日の夜、店を閉めてからわたしだけのためにタダでコーヒーを淹れてくれる。

毎日武装して、仮面を被りながら働くわたしにとって、彼のコーヒーは身も心も解きほぐす唯一の癒しだ。

元々常連客として通っているうちに、ある事がきっかけでこの奇妙な関係は続いているのだ。

パナマ産の豆を挽く音を聞きながら、わたしはあの日のことを思い出していた。

———–

「金曜日の夜ってあまり人が入らないんですね」

「んー、そうだね。時々飲み会の後の締めにコーヒーを飲みたいって人が来るくらいで、美緒ちゃんみたいに真っ先にここに来る人は珍しいよ」

「わたしにとって、ここに来ることは1週間頑張って働いた自分を褒めることなの」

もうほぼ飲み終わっているカップに、また口をつける。

今週は、すごく疲れたんだ。上司の考えと方向性が合わなくてぶつかりすぎて、プレゼンの資料も一から作り直して。

自分のやったことを全然認めてくれなくて。否定ばっかりされて。

あぁ、明日は休日だけど、パソコンも持ち帰って来たから、続きをやらなきゃいけないかな…。

あれ、あの資料は印刷しておいたほうがいいか。何部だっただろうか?…思い出せないや…。

いつの間にか、体は深くテーブルにもたれかかって沈んでいた。

心地のよい、祐介さんの低い声が、耳をくすぐる。

「美…ちゃん、そんなに無防備…と、食…ちゃうよ…?」

なんだか言葉がよく聞き取れない。

コーヒーの匂いに混じって、祐介さんの香水の匂いがふわっと香ったところで、わたしは完全に意識を手放していた。

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