金曜日の夜はコーヒーとともに (Page 2)
夢の中で、わたしはドロドロに溶けていた。
アイスクリームのような、生クリームのような、白く滑らかな液体になって流れて行く。
頭の中もフワフワとして朦朧としている、そんな、ファンタジーな夢。
なのに、肌の感覚がやけにリアルだ。
滑らかで、温かい感覚がわたしのふくらはぎから、太ももにかけて伝わって来る。
じんわりと、体が熱を帯びて熱くなってくるのがわかる。
「ん…っ」
夢なのか、現実なのかわからないままわたしは声を発した。
その声に反応して、温かい感覚がまた内ももに伝わって来る。
「は…っあ…」
「美緒ちゃん?気持ちいい?」
びくり、とその声に体が反応する。
反射的に目を開くと、祐介さんの鋭い目がわたしを射抜いていた。
ああ、食べられちゃうんだな。
急に恥ずかしさがこみ上げてきて、体がこわばる。
目線を外してあたりを見回すと、自分の見慣れないモノトーン調のベッドの上で、祐介さんに組み敷かれている状況だった。
そして視線を自分の体に向けると、着ていた服ではなく、明らかに男性が着そうな服に着替えている。
「美緒ちゃん、下のお店のテーブルに突っ伏して爆睡で何やっても起きないから、担いで連れてきたんだよ。ここ、俺の部屋」
「ふ、服が…っ」
「ん?だってスーツ、シワになっちゃうと思ったから、着替えさせたんだよ」
「…え!?なんで…!」
「…理由なんて必要?」
くすり、と意地悪な笑みを浮かべた後に、彼はわたしの顎に手をかけた。
切れ長の、鋭い目が、薄暗い部屋の中で怪しく光る。
唇に柔らかな感触が伝わり、ゆっくり目を閉じた。
それを合図に、彼はついばむように唇に何度もキスを落とす。
ふ、と息が漏れて唇を開けた瞬間に、ぬるりと彼の生温かい舌が滑り込んできた。
まるで生き物のように、わたしの舌を逃がすまいと追いかけてきては優しく撫であげてくる。
「息…っできないっ」
「…鼻でしてごらん?……そう、上手」
2人の息遣いと、くちゅりという舌を絡める水音が部屋に静かに響く。
口内に、彼のタバコとコーヒーの混ざった香ばしい香りが広がって、胸が締め付けられるような、妙な気持ちがした。
彼は次第にわたしの胸へと手を這わせ、堪らず体がびくり、と反応する。
「祐介さん…。わたし、なんでこんなことになってるのっ…?ひぁっ…!」
彼の男らしい筋張った指が、胸の頂をつん、と弾いた。
体に電気が走ったように、跳ね上がる。
「なんでって?美緒ちゃんのことずっとこうしたいと思ってたから」
意地悪そうに、でも優しさを含んだ目で彼は笑う。
手が、指が優しく胸を揉みしだき、わたしはみっともない声をあげて快感に身を委ねていた。
「美緒ちゃんも、こうしたいって思ってたでしょ?体はそうしたいって思ってたみたいだけど」
彼は片手で胸を触りながらもう片方の手で、太ももをつつ、となぞりあげる。
そして、下着の上をなぞりあげた。
自分でもわかっている、そこが欲情しているということくらい。
「祐介さ…っ!そこダメ…っ。お風呂入ってないし、汚い…っ」
体はその先を求めているのに、理性が邪魔をする。
彼はそれを見透かしてか、お構いなしに、そのまま指を1本中へと埋めていった。
「あぁ…っ祐介さんっ…!」
ぐちゅぐちゅと、指の律動が早くなるたびにわたしの体は熱を帯びて、快感から逃れようとする。
彼はそれを制するように、わたしの手を強く握り、布団の上に縫い付けた。
頭の中がどんどん真っ白になり、部屋の中に響く水音が耳に残り恥ずかしく思えた。
「ダメ…もうイッちゃう…!」
びくり、と何度か収縮した体がベッドをぎしり、と軋ませる。
頭にモヤがかかったように、ふわふわとした感覚になり、わたしはただベッドに身を沈めて荒く息を吐いた。
彼はぐっしょりと濡れた指を秘部から引き抜き、それをぺろりと舐め、獣のような眼差しでわたしを見下ろす。
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