仲直りは星空の下で

・作

幼馴染から恋人同士になった葵と健斗は、大喧嘩をして葵が家を飛び出す事態に。葵が向かったのは昔から馴染みのある寂れた公園。しばらくしてから健斗も追いかけてきて、二人は無事に仲直りをする。そのまま外で健斗からキスをされ、身体も弄られて――……

「健斗の馬鹿!もう知らない!」

「うるせえ!勝手にしろ!」

一体何が喧嘩の原因だったか、もう葵はわからなくなっていた。

気付いた時にはお互いの不満を言い合って、ぼろぼろに涙をこぼし、そしてドアを開けて外に飛び出していた。

「健斗の馬鹿!アホ!変態!」

健斗に対する悪口を言いながら葵は夜の道を歩く。

葵と健斗は幼馴染で、学校も職場も同じであり、気持ちまで同じで、少し時間はかかったがようやく数か月前から一緒に暮らし始めたのだ。

それが何をきっかけに喧嘩が始まったのか、言い合いは三日ほど続き、今に至る。

涙はまだ止まらない。

手首で涙を拭いながら夜道を歩き続け、葵は幼い頃から住んでいるこの町のある場所へ向かっていた。

今はもう寂れて人もあまり寄り付かなくなってしまったが、昔はよく遊んでいた公園だ。

健斗ともよくここで遊んでいた。

春は花見をし、夏は花火をして、秋は学校帰りに寄って無駄話を繰り返し、冬は一緒に雪だるまを作って遊んだ。

すっかりサイズ感が小さくなった公園の中に入り、葵はベンチに座って泣きじゃくる。

「うぅ~……ばかあ……」

スマホが先ほどから鳴っているが、葵は出ない。

着信音からして健斗からの連絡だと思われるが、今の葵には出る元気がなかった。

それからどれほどの時間が経っただろう、深夜帯くらいになっただろうか。

周囲からは、虫の声と遠くで鳥が低く鳴いている声が聞こえた。

「……どうしよ」

地元であるので、実家に帰れないことはない。

しかしこんな時間から押しかけるのもなあと思っていると、自分を呼ぶ声がした。

「葵!やっぱりここだったか!」

喧嘩したばかりの恋人、健斗が迎えにきたのだ。

「健斗……」

「スマホ持ってるだろ?電話出てくれよな」

葵が何も言わずにいると、健斗は顔を逸らしながら言う。

「……心配したんだぞ」

ベンチの隣に腰をかけて、健斗は葵の頭に手を置いた。

「その……悪かったよ。言い過ぎた」

「何が原因で喧嘩したか、わかってるの?」

「……ごめん。正直何が原因だったか、もうよくわかんなくて……」

自分と同じ状態である健斗に、葵は少しだけ微笑む。

「……私も、よくわかんなくなっちゃった」

「なんだ、葵もかよ」

「うん。私も、ごめんね。感情的になりすぎちゃった」

そこでようやく二人は顔を見合わせ、額を合わせた。

幼い頃から喧嘩するたびにこうして公園を訪れ、片方が探し出して、お互いに謝って和解をする。

それができるのも互いだからこそと、二人は目を閉じて思っていた。

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