えっちな催眠に憧れた私とイケボな神谷君

・作

えっちな催眠動画に憧れるものの、いまいち気持ち良くなれなかった私。そんな時、イケボで有名な同僚の神谷君に、スマホの画面を見られてしまって…。なぜだか、神谷君に催眠をかけてもらうことに。えっちな催眠ごっこに、ドキドキが止まらない…!

動画サイトで時々見かける、えっちな催眠音声。

それっぽいだけのものから、本格的なものまでいろいろと試してみた。

でも、毎回すぐに寝てしまう私。

イケなくても良い。

一度で良いから、せめて催眠術にかかって、気持ち良くなってみたい。

この気持ちは日に日に強くなり、毎日動画サイトを巡回。

自分好みの声の人なら、感じやすくなるかも?

そんな気持ちで、仕事の休憩中でもイヤホンをして、声だけ確認。

あぁ、この人は音質がすごく良くて、聞き取りやすい…

でも、ちょっと苦手なタイプの声だ。

なかなか、自分好みの声で催眠にかけてくれる動画って無いなぁ。

そう思った時だった。

「仕事の休憩中に、そんなえっちな動画見てんの?やらしー…そんなえっちな人だったんだ」

耳元で、良い声が囁く。

声の主は、整った顔立ちとひょうひょうとした性格、そしてイケボで大人気の同僚、神谷君だった…。

*****

「まずは、リラックスするのが大事なんだよ」

「う、うん…」

どうしてこんなことになったのか。

私は今、同僚の神谷君と一緒にラブホテルに来ている。

休憩中、配信者さんたちの声をチェックしていたら、神谷君に話しかけられた。

私のスマホ画面が、たまたま目に入ってしまったらしい。

催眠音声の動画を開いた瞬間を、見られてしまっていたのだ。

「いやー、でもびっくりしたよ…俺も見たことのある動画だったからさ、サムネイルですぐにわかった。お前、その動画開くんだもん…びっくりしたよ」

要するに、神谷君も私と同じ。

催眠術に興味があるらしい。

でも、その興味の方向が、私とは真逆だったのだ。

「今ある息を全部出しきるように、吐いて」

「え、あの神谷君、本当にするの?」

「催眠をかけられたい人間と、催眠をかけてみたい人間がいるんだよ?そりゃ、やってみたいじゃん」

「それは、そうだけど…」

「要するに、俺たちは同じ性癖を持つ人間ってわけでしょ?二人が同じ会社の同期って、結構運命だと思うんだけど」

耳元で囁かれて、私の体はビクンと震える。

「といっても、俺は素人だからさ、あくまでごっこ遊びね。その方が安全だし、そっちも安心でしょ?」

軽くうなずいた。

確かに、催眠術ってどうなるのかわからないし、ちょっと怖い部分もある。

人にかけてもらうなら、尚更だ。

でも、同時に少し寂しい気持ちを感じてしまった。

あ…私、神谷君の催眠にかけられて、気持ち良くなりたいんだ。

それが、本心なんだ。

恥ずかしい…でも、こんなチャンス、たしかにもう無いかもしれないし…。

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