真夜中の秘密の情事~お姉ちゃんの婚約者の誘いに断れず~

・作

結婚の挨拶に来たお姉ちゃんの婚約者は昔私が好きだった高校の先輩。忘れていた当時の気持ちがよみがえり、寂しさから夜中リビングでやけ酒をしていると先輩が水を飲みに起きてきて、一緒にお酒を飲んでいたら先輩も昔私を好きだったと告白してきて…。

「…え、お姉ちゃんと先輩が結婚…?」

「あんた、正樹のこと知ってるの?」

「知ってるも何も俺たちは高校の先輩後輩なんだよ」

「すごい偶然ね~!」

*****

就職が決まるも特に家から出ていくことはなくそのまま実家で暮らしていた私。

お姉ちゃんは好きな人ができたと言って数年前に家を出ていた。同棲してるんじゃないかなって話もあったから、多分そうなんだと思う。

お姉ちゃんは私と正樹先輩が知り合いだと知って、なんだかほっとしていたみたいだった。

仲を取り持ってもらったら良かった、なんてことも言ってたっけ。

そんなことを考えながら私はグラスの中に注がれた琥珀色の液体を一気に飲み干した。

カラリ、と溶けかけて小さくなった氷がグラスの中で揺れる。

「なんで正樹先輩かなぁ…」

よりによって、私の初恋の人だ。

高校時代に正樹先輩と何かあったわけじゃない。
むしろ私の片思いだ。

優しくてイケメンな正樹先輩にずっと憧れていた。

ちんちくりんな私より、スタイルも良くて頭もいい美人なお姉ちゃんの方が似合っている。似合っているのは分かってるけど…。

「はあ…好きだったのにな、正樹先輩のこと」

「俺もだよ、ミユキちゃん」

「え!?」

「ミユキちゃんのこと、可愛いなってずっと思ってた。でも、キミは俺のことは興味ないと思ってたから何も言えなかったんだよ」

お酒を飲みながら一人でボヤいていると、いきなり後ろから声がした。

慌てて後ろを振り向くとそこには正樹先輩の姿が。

グラスを置いて先輩の方へ顔だけ向ける。そうすると先輩は私の隣座って距離を詰めてきた。

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