植物マニアの助手と娘 (Page 7)
雅人は優しく、私のことを気遣ってくれていたが、私のこの答えにタガが外れたように、激しく腰を打ちつけてきた。
肌のぶつかり合う音が部屋に響く。
奥に伝わる振動が、だんだん心地よくなってきた。私は下から雅人の身体を抱きしめた。
「はぁっ、雅人、気持ちいい…!」
「俺もです…。そろそろ、イキそう…」
「うん、来て…」
私が言うと雅人はさらにピストンを早め、ついに限界を迎えたようだった。ひときわ腰を強く打ちつけられると、身体の芯に振動がじんじんと響いた。
「ああ、イクッ…!!」
「私も…イッちゃう…!ああっ!!」
2人で絶頂を迎えると、荒い息のまま抱きしめあった。雅人が耳元で囁く。
「僕とあの触手…、どっちが良かったです?」
「えぇ…全然違うから、比べられないよ…。雅人、私がどっちを選んだほうが嬉しいの?」
「うーん…どっちでも嬉しいですね」
「そんな答え、ある?」
笑った私に、雅人はつられて笑う。
「たとえ菜々美さんがどんな風になっても、植物と僕を愛してくれるなら…ちゃんと責任はとりますよ」
「本当かなあ…」
私たちは顔を見合わせて笑い合った。
これから先、私たちの関係はどうなっていくのか分からないけど、元々信頼していた雅人だったから、不安は感じていなかった。
*****
「菜々美さん、ちょっといいですか?」
雅人がアパートで夕食を作ってくれたある日の夜。彼はおもむろにノートパソコンを鞄から取り出して広げてきた。
「うん、何?」
「これを見てほしいんですが」
ノートパソコンに映っているのは大きな、肉厚の葉っぱが目立つ花のライブ動画だった。その葉の表面は粘性の液体でじっとりと濡れているのが見て分かった。
「なかなか大きく育ってくれたので、菜々美さん。今度はこいつと遊んでみませんか?」
私達の関係は、相変わらずである。
Fin.
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