植物マニアの助手と娘 (Page 2)
しかし目を引くのは、床の半分以上が土で覆われていて、巨大なウツボカズラのような植物が数本生えていたことだ。その茎からは細長いツルが分岐して垂れている。
見慣れない人には不気味かもしれない。しかし私にとっては、興味をひくものでしかなかった。
「…枯れてないんだ?それともネズミとか食べてたのかな、食虫植物っぽいし」
感じた疑問を口にしながらしゃがみこんで観察していると、視界の端で垂れていた植物の触手が動き、油断していた私の腕に絡みついた。
「きゃっ!?」
突然の出来事に驚いて悲鳴を上げると、あっという間に腰から両脚まで巻き付き、身動きが取れなくなってしまった。私は必死にもがいたけれど、植物の触手はびくともしなかった。
「え…うそでしょ?」
仮にこの植物が食虫植物だとしたら、人を食べるのに数日どころではない日数がかかるだろう。とはいえ、雅人がここに来てくれるまで何時間かかるか分からない。恐怖が全身をかけめぐった。
「はなしてー!!」
私は叫びながら、唯一自由になる左手を使って植物を叩いたり引っ張ったりした。しかし効果はないようだった。むしろ暴れたことで余計に強く締め付けてくる。
「んぐぅ…くるしい…」
呼吸をするたびに甘い匂いが鼻腔を満たしていく。だんだん頭がボーっとしてきた。
「なにこれ…花粉のにおい?」
気がつくと植物に絡め取られていた部分が熱を持ち始めていた。まるで煮えているように熱い。
「あついよぉ…なに、これ」
身体の内側からも焼かれるような感覚に襲われ、無意識のうちに太腿を擦り合わせてしまっていた。下着の中が湿っていく感触があったが、そんなことを気にする余裕はなかった。
「ふぁ…あつ」
次第に頭の中にモヤがかかったようになり、まともに考えることが出来なくなってきた。触手は私の服や下着の下に潜り込むと、素肌の上を這いずりまわり始めていた。その感触に身体中の力が抜けていき、抵抗することも忘れていた。
「やだ、きもちいい…」
レビューを書く