わたしは、あなたの6番

・作

帰宅したら、部屋が荒らされていたミサ。通報しようとしたとき、「騒がないでください」と、背後から知らない男性に飲み物を飲まされる。気を失ったミサは目覚めると、スポットライトに当てられ、全裸で椅子に両脚と両手を縛られていた。遠くから女性の喘ぎ声が聞こえだし、身体が疼きだすミサの前に男性が現れると、いきなりミサの秘部に指を挿れ…。

ミサは、指に引っ掛けたキーでロックしていたドアを開けた。

「ただいまー」

誰もいない部屋に向かっていいながら、玄関にヒールを脱ぎ捨てた。

「疲れたー。なに食べ…ちょっと、何これ…」

部屋の家具はひっくり返り、服や物があちこちに散乱している。

ミサは、バッグからスマホを出し、彼氏の哲司に電話した。

「違う、違う。落ち着け、警察…」

「そのまま、振り返らないでください…」

110の最後の0を押そうとすると、背後から知らない男性にスマホを奪われた。

「騒がないでください」

落ち着いた声をした男性は、ミサにミネラルウォーターのペットボトルを差し出した。
ミネラルウォーターのラベルの中は、奇妙な薄いオレンジ色をしている。

「半分、ゆっくり飲んでください」

男性は蓋を緩め、震えているミサの両手にペットボトルを握らせた。

「ちょっと、ダメじゃないですか」

ミサは、極度の恐怖でゴクゴク飲み、男性にペットボトルを奪われた。
全身の力が抜け、瞼が重くなった。
ミサが最後に見たのは、ひび割れた窓ガラスだった。

*****

目を開けると、ミサは裸で革の椅子に座らされいる。
肘掛に両脚を上げ、その上に両手を置いた状態で縛られていた。

大きなスポットライトで照らされているミサの目に入ってきたのは、顔の見えない大勢の人影。
ミサは、叫び声を上げながら身体を動かした。

「6番さん、お目覚めです」

ミサに飲み物を渡した男性の声が、マイク越しに反響する。

「助けて、助けて下さい!!!」

無数の足音が、椅子を揺らして抵抗しているミサに近づいて来る。

「お願いです!!助けて下さい!!」

数名の男性の声が、おお、と嬉しそうに声を上げた。
スポットライトの熱と恐怖で、ミサは全身に汗をかき始めている。

突然、遠くのほうで、悩ましい女性の喘ぎ声が聞こえだした。
耳に入ったとたん、一気に身体が火照ったのをミサは感じた。
女性の喘ぎ声は大きくなり、肉を打つ音が聞こえ始めた。

(私もあの女性みたいに…見られながら、セックスするんだ…)

恐怖を感じているのに、ミサの身体の芯は興奮し始めている。

うつむくと椅子の前に革靴が現れた。

「助けてくだ、ぁッん」

目の前の男性は、濡れ始めたミサの秘部に指を入れた。

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