裏アカ男子と処女喪失 (Page 2)
鍵を受け取りエレベーターで部屋へと向かう。
2人乗りの、狭いエレベーター。
私の心臓の音が聞こえてしまうんじゃないだろうか。
自分から誘ったとはいえ、初めてのことに胸のドキドキは止まらない。
部屋に着くとそこはとても清潔感があり、広々としていて、ベッドもとても大きい。
「わぁ!すごい、こんな感じなんだ…」
お茶もポットもある、普通のホテルと変わらないじゃん。
「この扉はなんだろう」
屈んで扉を開けるとそこには小さな冷蔵庫…と、半透明の区切られたボックスが。
見たことのない形状にまじまじと見つめていると、それはいわゆる大人のおもちゃの自動販売機だった。
「わっ!」
私は慌てて扉を閉めて取り繕ったように
「ははっ、テレビでも見よっかな」
ポチッと付けると、大画面で男女がまぐわってアンアン喘いでいる最中だった。
「わっ!!」
私はついにドスンと尻餅を着いてしまった。
は、恥ずかしい…いろんな意味で。
「っぶわははははっ!」
ゆうたろうは腹を抱えて笑っている。今までの私の行動を見て、耐えきれなかったのだろう。
「はー!リカコさんが楽しそうでよかったよ」
そう言ってゆうたろうは自身の目尻を拭い、私を抱き上げると、そのままベッドへ腰掛けた。
さっきまでの笑顔とは一変し、男らしい顔付きになると途端に緊張してしまう。そんな私を察してか、おでこに軽くチュッとすると、
「シャワー先に浴びてきたら?」
と、また眩しい笑顔を向けられた。
シャワーを浴びるということは、そういうことだよな……なんて、今さら往生際の悪いことを考えても仕方ない。清潔なカラダで立ち向かおう、私は決意を新たにシャワーへと向かう。
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