有紀の本営ちゃん日記~ホスト葵~

・作

初めて行ったホストクラブで、ナンバー1を目指す葵を指名するようになった有紀。「嘘をつかない」約束を守る葵の誠実さにひかれつつも、スパイシーすぎる刺激に心を痛める日々。そんな刺激に満ち溢れた2人の一夜をどうぞ。

「ナンバー1目指したいから、それまで彼女は作らない」
そう言った彼が何故か誠実な気がしてしまって。
初めて行ったホストクラブで葵を指名し始めてから半年。

「有紀のお陰でナンバー1になれたよ❤次は、グループ内でも1位を目指したいんだ」
葵の笑顔に、頷くしかなかったのが4ヶ月前。
3ヶ月前に家の鍵を貰って、今日は料理をして彼の家で待ってるはずだったのに…。

扉を開けた途端、ふわっと甘い香り。
洗面台に並べられた歯ブラシ。
机の上にはスワロフスキーのついたピンクのライター。

(「彼女」じゃないなら、嘘はついてないもんね)

ひとつ嘘をつかれると、「またかな」って不安になるから。
私は葵に「嘘をつかないで」って言った。
そのせいか葵は、誤魔化したりはぐらかしたりはするけど、私に嘘はつかなかった。
…少なくとも、嘘だと感じさせることはひとつもなかった。
だからこそ、私も葵との約束は守った。

「飾りボトルを入れて、バースデーはタワーでお祝いしよう」
約束で縛られた2人の関係。
葵のためにって思って、昼と夜の掛け持ちで頑張って来たけど。

立ち止まると心が凍えちゃうから。
見なかった振りをして。
そっと心を閉ざす。

「着いたよ待ってるね♪ご飯作ってからシャワー使うね」

メッセージを送って寝室に向かった。
寝室のシーツとカバーを洗濯するために。

*****

「有紀ぃ~❤ただいまぁ」
後輩の奏汰君を従えて帰宅した葵は、いつにも増して陽気だった。
そして今日も、私のすさんだ心を癒す破壊力のある王子様スマイルは健在だ。

「葵、結構飲んだ?」
「今日の営業、えぐかったんですよ。明日店休日だからテキーラねって」
奏汰君が申し訳なさそうな顔をする。

「そうそう、たぁくさん飲んだんだよ~!」
葵は手を振りながらお風呂に向かう。

「有紀さん待ってるからって、まっすぐ帰って来たんで、許してあげてください」

(自分で「ご飯食べたい」って言ったんだもんね)
葵の心配が真っ先に出てこない自分に驚いた。

「あっ、奏汰君、お茶でも淹れようか」
奏汰君に声を掛けてみたけど。
「いえ、帰ります。俺、まだ命は惜しいんで」
と断られてしまった。

「命は惜しいって(笑)」
「だって葵さん、有紀さんのことホントに大事にしてるから」
「え~っ、そんなに大事なら、女の子の忘れ物部屋に置いておくなって言っといてよ!」
「それはホラ、スパイスですよ。スパイス」
「ちっとも嬉しくないんですけど!」
奏汰君は凄い。
あんなにブルーだったのに、心が少し軽くなった。

「有紀さん、俺帰るんで。おやすみなさい」
奏汰君は逃げるように帰ってしまって、お風呂場のシャワーの音がやけに大きく感じられた。

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