2人の男に愛された夜 (Page 4)

祐弥のセックスは、ただただ激しい。
熱量の多さに、心が満たされる。
求められる喜びを体で表現できると教えてくれたのは祐弥だった。

「お前は俺のものだろ?」
祐弥は言葉で私を縛りつけようとする。

弱い所を的確に探り当て、哀願するまでやめない。
自分の声じゃないような嬌声があがる。

火照る身体を責められ、その度に私は泣きそうになりながら祐弥にねだる。

「お願い、ねぇ、我慢できないの」
「どうしたの?」

わざと意地悪な口調で祐弥が煽る。
私の目を見て視線を逸らさない。

祐弥の綺麗な瞳に、私のだらしなく歪んだ顔が映り込む。
あの何でも見透かされてしまいそうな瞳に弱い。

何度かのやり取りののち、やっと祐弥を受け入れることを許される。

「ほら、好きなところ」
「やっ、そんなんじゃ…」
「じゃあやめようか?」

祐弥の口元が歪むと、私は期待で胸が震える。
「お願い、やめないで…」

おずおずと口にした言葉に、祐弥は満足そうに微笑み、大きなもので私の中へ入ってくる。
まるで所有印をつけるように、何度も何度も。

(私、求められてるんだ)
砂漠のように乾いた心と体に、祐弥はいつも潤いを与えてくれる。

*****

祐弥が寝息をたてたのを確認して、そっとベッドを出る。
読みそびれた愁からのメッセージを確認する。

「こちらこそ、いつもありがとう」
「年末年始は実家に帰省するから、予定が決まったら教えるね」

年末年始。
1年で唯一愁と過ごすことのできない休みがまた来る。
去年は、祐弥と夜通し飲んだっけ。
今年はどうしよう…。

いくら目を背けても現実は変わらない。

冷蔵庫からビールを取り出す。
潤いが欲しい。
喉にも体にも、そして心にも。

(「会えなくて、寂しいよ」なんて言ってくれる訳ないか…)

いつだって誰相手だって、一方通行は悲しい。
好きな人なら、なおさらだ。
でも、かつての熱はもうない。

今なら…。
手を離すことができるかもしれない。

「一人で待つのはやっぱり寂しいから、ごめんなさい。今までありがとう」
スマホの画面が滲んで、鼻の奥がツンとした。

Fin.

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