忘れられない元彼と再会H
5年前に勇士と別れてからも、忘れられずにいた奈都。誰と付き合っても、キラキラした想い出がトゲのように心に刺さっていた。思いがけない再会でホテルに入った2人は、離れていた時間を埋めるように愛を確かめ合い…。
「懐かしさ」だけじゃなかった。
誰と過ごしても、勇士のことを忘れられなかったのは本当だけど。
「勇士とだったら」
「勇士なら」
何度も飲み込んだ言葉。
どんよりとした夜空には、2人でいつも見あげた月はない。
何もかも上手くいくことなんかないんだから。
ささいな喧嘩なんかで全部を投げ出さなければ良かった。
愛しさもせつなさも。
勇士が教えてくれたのに。
別れてから5年も経ったけど、もう一度肌を重ねればあの頃の2人に戻れるような気がしてた。
…そんなの無理だって、分かってるけど。
もう一度空を仰ごうとしたその時。
「なっちゃん!」
背後から、聞きなれた声がした。
ゆっくりと振り返ると。
あの頃のように人懐こく笑う勇士がいた。
*****
「なっちゃん、どうかした?」
ふと見上げると勇士の顔が近かった。
「ん。何でもないよ」
表情が見えないように勇士にギュッと抱き着く。
勇士の大きい手が頭を撫でてくれる。
「なっちゃんはホント甘えたがりだよなぁ」
優しい声は、もうあの頃のように私のものじゃない。
もう一度手を伸ばして欲しがって。
またダメになったら…きっと立ち直れないから。
「…また余計なこと考えてる」
見透かすような勇士の声にハッとして顔をあげる。
触れるように優しいキス。
確かめるように、何度も何度も。
肩に入っていた力が少しずつ抜けていく。
温かい指が触れて、私の肌の上をゆっくりと滑って。
「なっちゃん」
いつもより少し低い声。
ベッドの中でしか聞くことがないこの声がたまらなく好きだった。
胸の奥が甘くしびれる。
勇士の指がクリトリスに触れる。
「んっ…」
「なっちゃんここ好きだよね」
そう言いながら勇士はゆっくりと刺激をはじめた。
「あっ、んっ」
吐息に熱がまじる。
頭がボーッとして、息が荒くなる。
クリトリスを扱(しご)かれて、身体がビクンと跳ねた。
「大きくなってきた」
そう言うと勇士は、クリトリスを舐めはじめた。
思わず脚に力が入る。
「ほらダメなっちゃん、ちゃんと脚開いて…」
「だって、ダメ、そこ」
途端に刺激が強くなる。
「あっごめ、ダメじゃな…気持ち良い、いいから…」
勇士の舌が激しさを増す。
勝手に腰が動く。
身体が熱い。
「あっ、も、もう…ダメ、いっちゃう」
私は意識を手放した。
「なっちゃん、おいで」
勇士の声に、腕に。
導かれるように胸に抱かれた。
(あったかい…)
ボーッとしていた頭がようやくクリアになってくる。
脚に勇士の熱いモノがあたってる。
「ねぇ、ゆうしぃ…」
首に腕を絡めて、勇士に跨(またが)る。
ソロソロと指を伸ばすと、勇士の熱いモノがビクンと動いた。
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