彼氏と廃墟へ肝試しに行くことに。真っ暗な中、手を繋ぐと興奮してきて…
彼氏と幽霊が出ると噂される廃墟へ肝試しに行くことになった。誰もいない夜中の廃墟はとても恐ろしく、今にも何かが出てきそうな雰囲気。初めは怖くて仕方なかったけれど、彼と暗闇でキスをしたり手を繋いで歩いているうちに、だんだんと興奮してきて…
「着いた。ここだよ」
そう言って太樹(たいき)くんが指差したのは、暗闇に浮かび上がる廃墟だった。
「ねぇ太樹くん。本当にここに入るの?」
ビビリな私はすでに怖気づいており、太樹くんのシャツの裾を握りしめる。
彼に肝試しに誘われて軽い気持ちでOKしたものの、いざ人のいない山奥へ来ると恐怖以外の何ものでもない。
「亜美(あみ)、心配するなって。こんなのただの廃墟だろ」
「ただの廃墟が怖いんだってば」
「じゃあ何で肝試しをOKしたんだよ」
「それは…冗談だと思ったから…」
太樹くんは「何だそれ」と言って大声で笑う。そして、私を抱き寄せると「大丈夫だから」と囁いた。
彼はいつだって、私が何か不安になることがあると、こうして抱きしめてくれる。
私たちは固く手を繋ぎ、廃墟へと向かった。
懐中電灯の弱い光だけを頼りに、物が散乱した室内を歩き回る。
「ねぇ、ここって元々は何の建物だったの?」
「病院だよ」
その言葉に、私は飛び上がりそうになって驚く。何も調べないで来たことを猛烈に後悔した。
しかし、オカルトが大好きな太樹くんが引き返してくれないことも十分に理解しているため、彼の腕にしがみついた。
遊園地のお化け屋敷よりもリアルな怖さが漂う廃墟を歩きまわっていると、時折彼がそっとキスしてくる。
「ん…。どうしたの?」
「いや、怖がってる亜美が可愛くて」
「もう」
太樹くんの手はとても熱くて、私は唇を重ねている時だけ恐怖を忘れられた。
廃墟は比較的大きな病院だったらしく、階段を何回か登ると、割れた窓から遠くの街の灯りが見えた。
「あ、綺麗だね」
私は窓辺に寄り、小さなダイヤモンドみたいな夜景を見つめる。
太樹くんも私を後ろから抱きしめると、「そうだな」と同意した。
しばらく無言で夜景を眺めていると、彼の手がシャツの裾から侵入し、ブラジャーをずらした。
乳首を優しく転がされ、身をよじろうとすると、首筋に舌を這わされて鳥肌が立った。
「あっ…」
「怖がってる亜美が可愛すぎて、興奮してきた」
「ここでするの…?」
「誰も来ないよ」
すでに湿っているあそこに彼の指が入り込み、くちゅくちゅといやらしい音を立てる。
「あっ」
私の声は廃墟内でかすかに響き、恥ずかしくなって口を押さえた。
「誰もいないんだから、声を出したっていいだろ」
「でも…」
太樹くんは意地悪く笑うと、「幽霊が出そうで怖い?」と訊いた。
「エッチの最中に幽霊なんて出たら、私どうしたらいいの」
私が頬を膨らませて言うと、彼は額に口づけをしながら「その時は俺が守ってやる」と言って髪を撫でた。
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