身体は大きくても小心者な彼の慰め方

・作

井上ゆりの恋人、雪城大介は身体が大きいにも関わらずとても小心者。そんな性格が故に、大介は職場でも良くない扱いをされているらしく、悩みも尽きない様子。ゆりがいろいろとアドバイスしても、「俺にはゆーちゃんがいるから」の一点張り。そう言い張る理由は、ゆりがある方法で大介を慰めているからだった。

私の恋人、雪城大介は小心者である。
身長は192センチ。趣味が筋トレということもあり、身体もかなり分厚い。
それでいながら喧嘩が苦手。

恋人である私、井上ゆりがナンパをされていたとしても、助けることができない小心者である。
でも、動物や小さい子ども、お年寄りにはとっても優しくて紳士的。
そんな大介のことは大好きなのだけど、小心者であるがゆえに、職場での悩みは尽きないらしく…。

「…ということがありまして」
「ほんっと大介にだけ意地悪するとかさあ…いい加減ガツンと言ってやんなよ、舐められてんだよ」

ある休日。私の家に遊びに来た大介は、しょんぼりとしながら私の胸に顔をうずめていた。
身体はでかいのに変に優しくて謙虚なせいか、上司からストレスのはけ口にされているらしい。
もっと上の人に相談しようとか、思い切って労基に通報しようとか提案はするけど、そこまでする必要はないの一点張り。

「でもさあ、そんなの続いてたら大介のメンタルが持たないって」
「大丈夫、俺にはゆーちゃんがいるから」
「そんなんで耐えられるのも、いつまでかわからんでしょ」
「大丈夫なの」

拗ねた子どものように押し切り、大介はゆっくりと私の胸の上で妖しい動きを始める。
まるで食むものを探しているかのように、唇を動かしているのだ。
それが何を意味するかは、私はもう知っている。

「ちょっ…まだ昼間だし、シャワーも浴びてな…」
「ゆーちゃん」

じぃ、とこちらを見つめる目は、とても小心者には見えない。
ゆっくりと起き上がり、私を完全にベッドへと組み伏せた大介は、甘える犬のような表情を見せる。
一旦目を逸らしても、そっと私の頬に手を添えて、視線を合わせるように誘導されてしまう。

「お願い。俺のこと、慰めて?」

私がその言葉に弱いのを、大介は良く知っていた。

「…もうっ、しょうがないな! …いいよ」

半ばやけくそ気味に、私もその求めに答える。
両手を広げて「おいで」というと、大介は嬉しそうに顔を歪めた。

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